FP資格取得のためのポイント
FP資格講座:給与所得控除の仕組みと手取り額の計算方法

ファイナンシャル・プランナー(FP)の学習において、給与所得控除は所得税の計算を理解する上で欠かせない知識です。給与所得控除は、会社員が給与から差し引くことができる経費のことで、この控除額が大きいほど、課税される所得額が減り、税負担が軽くなります。
ここでは、給与所得控除の仕組みと、FP試験でも問われる手取り額の計算手順を解説します。
給与所得控除と基礎控除の改正(2025年版)
令和7年度税制改正により、給与所得控除と基礎控除が変更されました。これらの改正は、令和7年12月1日から施行され、年末調整から適用されます。
給与所得控除の計算方法
給与所得控除額は、あなたの年収(給与等の収入金額)に応じて以下の計算式で求められます。
・給与収入が190万円以下の場合:65万円
・給与収入が190万円超360万円以下の場合:収入金額の30%+8万円
・給与収入が360万円超660万円以下の場合:収入金額の20%+44万円
・給与収入が660万円超850万円以下の場合:収入金額の10%+110万円
・給与収入が850万円超の場合:195万円(上限)
基礎控除の改正
基礎控除額が、これまでの48万円から58万円に引き上げられました。さらに、年収が200万円以下の方は、基礎控除を37万円上乗せし、合計で95万円の控除が受けられます。
実務に役立つ!「年収の壁」の変化
扶養内で働く人の年収の壁にも変化があります。2025年版の「年収の壁」は、以下の計算によって160万円になりました。
・給与所得控除(年収190万円以下)65万円 + 基礎控除(年収200万円以下)95万円 = 160万円
所得税の速算表(2025年分)
所得税額は、給与所得控除や各種所得控除を差し引いた後の「課税される所得金額」に応じて、以下の税率が適用されます。
・課税所得が195万円以下の場合:税率5%
・課税所得が195万円超330万円以下の場合:税率10%、控除額97,500円
・課税所得が330万円超695万円以下の場合:税率20%、控除額427,500円
・課税所得が695万円超900万円以下の場合:税率23%、控除額636,000円
・課税所得が900万円超1,800万円以下の場合:税率33%、控除額1,536,000円
・課税所得が1,800万円超4,000万円以下の場合:税率40%、控除額2,796,000円
・課税所得が4,000万円超の場合:税率45%、控除額4,796,000円
まとめ
給与所得控除や基礎控除、所得税の速算表は、お客様の正確な手取り額を計算する上で不可欠なツールです。FPとして、これらの最新の数値を正しく理解しておくことで、より信頼されるライフプランニングの提案が可能になります。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。
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