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FP資格講座:国民年金基金の基礎知識を徹底解説!加入メリットと注意点

公的年金制度は、国民年金(1階部分)と厚生年金(2階部分)で構成されています。自営業者や農業者といった国民年金第1号被保険者には、会社員のような厚生年金がありません。そのため、老後の年金を増やすための上乗せ制度として設けられているのが「国民年金基金」です。ここでは、国民年金基金の仕組みと、FP試験でも問われる重要ポイントを解説します。
国民年金基金とは?年金制度の「2階部分」を補う仕組み
国民年金基金は、国民年金(1階部分)に上乗せする公的な年金制度です。自営業者などが国民年金だけに頼らず、会社員と同等の年金を受け取れるようにすることを目的としています。
国民年金基金の加入対象者と掛金
国民年金基金の加入対象者と、支払う掛金には以下のルールがあります。
・加入対象者:
・日本国内に居住する20歳以上60歳未満の国民年金第1号被保険者(自営業者、農業者、学生など)が対象です。
・国民年金保険料を納付している必要があります。
・掛金の上限:
・月額掛金の上限は68,000円です。
・iDeCo(個人型確定拠出年金)と併用する場合、その掛金と合算して月額68,000円が上限となります。
国民年金基金の給付の種類と税制メリット
国民年金基金は、将来受け取る年金の種類を自分で選べるのが特徴です。
・給付の種類:
・終身年金: 加入者が生きている限り年金が支給されるタイプです。
・確定年金: 確定した期間(例:15年、20年など)に年金が支給されるタイプです。
・税制メリット:
・掛金の全額所得控除:
支払った掛金は、全額が「社会保険料控除」として所得から差し引かれます。これにより、所得税や住民税が軽減されます。
・受け取り時の控除:
老齢給付として受け取る際は、公的年金等控除の対象となります。
FPとして知っておくべき注意点
国民年金基金は、老後資金を増やす上で有効な制度ですが、注意すべき点もあります。
・掛金の変更・脱退:
・原則として、任意での脱退はできません。また、口数単位で掛金額を変更(増口、減口)することができますが、1口目を減口することはできません。
・iDeCoとの関係:
・iDeCoと併用する場合、掛金の上限額(月額68,000円)を両制度の合計で管理する必要があります。
・付加年金との関係:
・国民年金基金に加入すると、付加年金には加入できません。
まとめ
国民年金基金は、自営業者などの国民年金第1号被保険者が、将来の年金を増やすための重要な選択肢です。この制度の仕組みと注意点を正しく理解し、お客様のライフプランに合わせた最適な提案ができるFPを目指しましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。
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