FP資格取得のためのポイント
FP資格講座:不動産所得の基本と計算方法を解説

ファイナンシャル・プランナー(FP)の学習において、不動産所得は重要なテーマです。家賃収入を得ているお客様へのアドバイスに不可欠な知識であり、FP試験でも頻出の論点です。ここでは、不動産所得の基本的なルールと、収入金額に含めるべき項目について解説します。
不動産所得とは?
不動産所得とは、土地や建物などの不動産を貸し付けることで得られる所得のことです。
不動産所得 = 総収入金額 − 必要経費
この不動産所得を正しく計算するためには、どのような収入をいつ計上するのか、そしてどの費用が必要経費になるのかを正確に把握しておく必要があります。
収入金額に算入するタイミングと項目
不動産所得の収入金額は、以下のルールに基づいて計上されます。
・家賃収入の計上時期
収入金額に算入すべき金額は、原則として契約で支払日が定められている場合は、その支払日です。たとえ家賃がまだ支払われていない「未収」の状態であっても、定めた支払日に収入金額に算入します。
なお、支払日が定められていない家賃については、請求した日や実際に支払いを受けた日が収入計上時期となります。
・供託された家賃の扱い
家主と借主の間で家賃の支払いを巡ってトラブルが発生した場合、借主は家賃の支払いを怠ったことにならないよう、法律に基づき金銭を国が指定した機関(供託所)に預けることができます。これを供託(きょうたく)と呼びます。供託された家賃は、契約で定められた支払日、または実際の支払日に収入金額に算入しなければなりません。
・礼金・更新料・名義書換料
これらは、借主から受け取る際に一括で収入金額に算入します。
・敷金・保証金
敷金や保証金は、将来借主へ返還する義務があるため、原則として収入金額には算入しません。ただし、契約書に「返還を要しない」と明記されている部分は、受け取った時点ではなく、返還を要しないことが確定した日に収入金額に算入する必要があります。
まとめ:FPとして知っておくべきポイント
不動産所得の計算は、収入を計上するタイミングや、返還義務の有無によって判断が分かれる複雑なテーマです。
・家賃は、未収でも支払日に収入に算入する。
・礼金や更新料は収入に含めるが、敷金・保証金は原則含めない。
・トラブルで供託された家賃も収入に含める。
これらのルールを正確に理解しておくことが、お客様の不動産経営に関する適切な税務アドバイスにつながります。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。
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