自動車保険
電気自動車の自動車保険料は高い?EVの特性に応じた選び方と特約を解説

電気自動車(EV)の保険料は、ガソリン車と比べて必ずしも高いとは限りません。車両本体価格や修理費用の影響で割高になるケースもありますが、安全装備による割引や走行距離の少なさによって安く抑えられる場合もあります。本記事では、EVの保険料が高くなる要因や補償の選び方、安くするコツについて解説します。
EV(電気自動車)の保険料が高いと感じる理由

EVの保険料は一律に高いわけではありませんが、構造や部品特性によって高くなる傾向があります。特に以下の要因が影響します。
・理由1:車両本体価格が高い
・理由2:高価な駆動用バッテリーの修理・交換費用
・理由3:専用部品の交換費用
万一の事故で駆動用バッテリーが損傷した場合、その交換費用は数十万円から百万円以上になることもあり、これが保険料に反映されます。
また、日本の自動車保険料は損害保険料率算出機構の「型式別料率クラス」によっても決定されます。車両の事故実績や修理費用データに基づき、車両料率クラス(1〜17)が毎年見直されるため、EVの車種によって保険料が高くなる場合もあれば、ガソリン車と同水準に収まる場合もあります。
一方で、EV全体の維持費では税制優遇や燃料費の低さ、保険割引制度により、ガソリン車より安くなるケースもあります。
EV特有の補償は?保険選びで重要な3つのポイント

EVはガソリン車とは異なるリスクを持つため、保険を選ぶ際には以下の点を重視しましょう。
・ポイント1:高価なバッテリーへの備え
車両保険でバッテリー損傷や交換費用が補償対象かを確認し、十分な補償額を確保しましょう。
・ポイント2:充電設備の損害補償
自宅の充電設備が火災や事故で損害を受けた場合、火災保険や自動車保険で補償されるか確認することが必要です。
・ポイント3:ロードサービス特約の確認
バッテリー切れや充電トラブルに備え、EV対応のレッカー移動や出張充電サービスが利用できるか確認すると安心です。
EVの保険料を安くする3つのコツ

修理費用の高さからEVの保険料は上がりやすいですが、以下の工夫で抑えられます。
・コツ1:ASV割引(先進安全自動車割引)の活用
衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備を備えるEVはASV割引の対象です。ただし、適用されるのは「保険始期日の属する年から3年前の4月以降に型式指定された自動車」に限られるため、適用条件を必ず確認しましょう。
・コツ2:走行距離割引の活用
EVは長距離走行が少ない傾向があるため、年間走行距離に応じた割引を受けられる可能性があります。
・コツ3:インターネット割引の活用
オンライン契約を選ぶことで、数千円から数万円単位の割引が適用される場合があります。
まとめ|EVの特性を理解して賢く保険を選ぶ
EVの自動車保険はバッテリーや専用部品の修理費用が影響するため、ガソリン車と異なる特徴があります。ただし、ASV割引や走行距離割引を活用することで保険料を抑えられる可能性があります。維持費全体で見ると、税制優遇や燃料費の安さもあり、ガソリン車より経済的に有利になるケースも多いのです。EV特有のリスクに対応した補償を選ぶことが安心と節約の両立につながります。
出典
・次世代自動車振興センター「EV等保有台数統計」
https://www.cev-pc.or.jp/tokei/hoyuudaisu.html
・国土交通省「電気自動車等の普及に向けた道路環境整備」
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/utilization/datutannsoka/ev.html
・金融庁「保険を契約している方へ」
https://www.fsa.go.jp/ordinary/insurance.html
・損害保険料率算出機構「型式別料率クラス」
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。