カードローン
銀行系と消費者金融系カードローンの金利差は10年後にどう響く?利息総額シミュレーションで比較
カードローンを選ぶ際、「金利」は返済負担を左右する重要な要素となります。銀行系と消費者金融系では上限金利に約3~4%の差があり、この違いは長期借入になるほど大きな差額となって現れます。本記事では、両者の金利構造の違いを解説し、10年間の利息シミュレーションをもとに資産形成への影響を検証します。
カードローンにおける上限金利の構造的違いとは

カードローンの金利は、貸金業法や利息制限法によって上限が定められています。借入先の業態によって適用される金利帯が異なるため、まずはその構造を理解しておきましょう。
利息制限法で定められた法定上限金利
金融庁の規定によると、貸付額に応じて上限金利は15%~20%と定められています。具体的な上限金利は以下のとおりです。
・元本10万円未満:年20%
・元本10万円以上100万円未満:年18%
・元本100万円以上:年15%
この法定上限を超える金利は民事上無効となり、行政処分の対象にもなります。また、出資法の上限金利(年20%)を超えると刑事罰の対象となるため、正規の貸金業者がこれを超える金利を設定することはありません。
消費者金融系カードローンの金利水準
消費者金融系カードローンは、利息制限法の上限に近い金利設定となっているケースが多くみられます。大手消費者金融の金利は概ね年3.0%~18.0%の範囲で設定されており、初回利用者には上限金利である年18.0%が適用されることが一般的です。
日本貸金業協会によると、貸金業者の上限金利は利息制限法に基づき、貸付額に応じて15%~20%の範囲内で設定されなければなりません。借入額が100万円未満の場合、多くの消費者金融では年18.0%が適用される傾向にあります。
銀行系カードローンの金利水準
銀行系カードローンは消費者金融系と比較して、上限金利が低めに設定されている傾向にあります。多くの銀行では上限金利を年14.0%~15.0%程度に設定しており、消費者金融系の年18.0%と比べると約3~4%の差があります。
メガバンクや地方銀行のカードローンでは、以下のような金利設定が代表的です。
・大手銀行A行カードローン:年1.5%~14.5%
・地方銀行B行カードローン:年1.9%~14.5%
銀行系カードローンの上限金利が低い理由は、銀行が預金を原資として低コストで資金調達できることや、既存顧客との取引関係を重視した商品設計がなされていることが挙げられます。
10年間の利息シミュレーションで見る金利差の影響

金利の違いは、借入期間が長くなるほど返済総額に大きく反映されます。ここでは具体的な数値をもとに、銀行系と消費者金融系の利息差額を検証します。
借入100万円を10年間返済した場合の比較
借入額100万円を毎月一定額返済する想定で、銀行系(年14.5%)と消費者金融系(年18.0%)の利息総額を比較します。
【銀行系カードローン(年14.5%)の場合】
・借入元本:100万円
・適用金利:年14.5%
・月々返済額:約15,800円(120回払い)
・返済総額:約190万円
・利息総額:約90万円
【消費者金融系カードローン(年18.0%)の場合】
・借入元本:100万円
・適用金利:年18.0%
・月々返済額:約18,000円(120回払い)
・返済総額:約216万円
・利息総額:約116万円
10年間で約26万円もの差額が生じる計算となり、この金額は決して小さくありません。年間に換算すると約2.6万円、毎月約2,200円の差となります。
借入50万円を5年間返済した場合の比較
より一般的な借入額として、50万円を5年間で返済するケースも確認しておきましょう。
【銀行系カードローン(年14.5%)の場合】
・借入元本:50万円
・適用金利:年14.5%
・月々返済額:約11,800円(60回払い)
・返済総額:約71万円
・利息総額:約21万円
【消費者金融系カードローン(年18.0%)の場合】
・借入元本:50万円
・適用金利:年18.0%
・月々返済額:約12,700円(60回払い)
・返済総額:約76万円
・利息総額:約26万円
5年間で約5.5万円の差額となります。借入期間が短くても、金利差は確実に返済負担の違いとして表れることがわかります。
金利差が資産形成に与える影響
利息として支払う金額は、本来であれば貯蓄や投資に回せる資金です。10年間で約26万円の差額は、同期間に積立投資をした場合の機会損失としても捉えられます。
仮にこの差額分を毎月積み立てて年3%で運用できた場合、10年後には約30万円程度に成長する可能性があります。金利選択は単なる返済負担の問題にとどまらず、将来の資産形成にも影響を及ぼす要素といえるでしょう。
カードローン選びで金利以外にチェックすべきポイント

金利は重要な判断材料ですが、カードローン選びではその他の条件も総合的に検討する必要があります。
審査スピードと融資までの時間
消費者金融系カードローンは審査スピードが速い傾向にあり、即日融資に対応している商品も多くみられます。一方、銀行系カードローンは審査に数日を要するケースがあり、急ぎの資金需要には対応しづらい場合があります。
全国銀行協会の調査によると、銀行カードローン利用者が銀行に望むこととして「資金が必要な時にスムーズに融資してくれること」が上位に挙げられています。利便性と金利のバランスは、利用目的に応じて判断することが求められます。
無利息期間サービスの活用
大手消費者金融の多くは、初回利用者向けに30日間の無利息期間サービスを提供しています。短期間での完済を予定している場合、この無利息期間を活用することで、銀行系カードローンよりも実質的な利息負担を抑えられる可能性もあります。
借入額や返済予定期間に応じて、上限金利の低さを重視すべきか、無利息サービスを活用すべきかを検討しましょう。
総量規制の適用範囲
貸金業者(消費者金融・クレジットカード会社など)からの借入は、総量規制により年収の3分の1までに制限されています。この規制は銀行には適用されませんが、銀行でも自主的に同様の基準を設けているケースが多いため、大きな差とはなりにくいのが実情です。
まとめ:長期借入なら銀行系カードローンが有利
銀行系と消費者金融系カードローンの金利差は、上限金利で比較すると年3~4%程度です。この差は短期借入ではそれほど大きな影響とならないものの、借入期間が10年に及ぶ場合は数十万円単位の差額となって現れます。
長期的な借入を検討している場合は、審査に時間がかかっても銀行系カードローンを選択することで、返済負担を軽減できる可能性があります。一方、急ぎの資金需要や短期間での完済を予定している場合は、消費者金融の無利息サービスを活用する選択肢も検討に値するでしょう。
カードローンの利用にあたっては、自身の返済計画と照らし合わせて金利条件を比較検討し、無理のない借入を心がけることが重要です。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。
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