税金(一般的な内容)
自動車税・軽自動車税(種別割)とは?税額一覧・納付時期・グリーン化特例をわかりやすく解説

自動車税(種別割)と軽自動車税(種別割)は、自動車の所有者に対して毎年課税される地方税で、総務省によると自動車税は都道府県税、軽自動車税は市町村税として分類されています。税額は自動車の排気量や用途によって異なり、自家用乗用車では年額25,000円から110,000円、軽自動車は一律10,800円が基本税額となっています。2026年3月末には購入時にかかる環境性能割の廃止が予定されている一方、新車登録から13年を超える車両には税額が上乗せされるグリーン化特例(重課)も適用されるため、保有年数によって税負担は変わります。この記事では、自動車税と軽自動車税の基本的な仕組みから排気量別の税額、グリーン化特例、2026年度の税制改正内容まで解説します。
自動車税と軽自動車税の基本的な仕組み

自動車税と軽自動車税はいずれも自動車の所有に対して課税される税金ですが、課税主体や納付方法に違いがあります。ここでは基本構造を確認しましょう。
自動車税は都道府県税、軽自動車税は市町村税
自動車税(種別割)は、普通自動車と三輪以上の小型自動車の所有者に対して都道府県が課税する地方税です。一方、軽自動車税(種別割)は軽自動車や原動機付自転車などの所有者に対して市町村が課税する地方税で、課税する自治体が異なります。
なお、2019年10月1日以降、従来の「自動車税」は「自動車税(種別割)」に、「軽自動車税」は「軽自動車税(種別割)」に名称が変更されました。同時に自動車取得税が廃止され、新たに「環境性能割」が導入されています。
賦課期日は4月1日、納期限は5月末
自動車税・軽自動車税はどちらも毎年4月1日時点の所有者に課税されます。4月1日に車検証上の所有者として登録されている個人または法人が納税義務者となり、5月上旬に届く納税通知書により、原則として5月末日までに納付する仕組みです。
そのため、年度の途中で車を売却や譲渡しても、4月1日時点の所有者に課税される点には注意が必要でしょう。名義変更をしないまま放置すると、前の所有者に引き続き課税されてしまいます。
自家用乗用車の排気量別税額

自動車税(種別割)の税額は排気量に応じて段階的に設定されており、2019年10月1日以降に新車新規登録された車両には引下げ後の税率が適用されます。
2019年10月以降の新規登録車(引下げ後税率)
自家用乗用車の税額は、排気量0.5リットル刻みで以下のように設定されています。
・1,000cc以下:25,000円
・1,000cc超1,500cc以下:30,500円
・1,500cc超2,000cc以下:36,000円
・2,000cc超2,500cc以下:43,500円
・2,500cc超3,000cc以下:50,000円
・3,000cc超3,500cc以下:57,000円
・3,500cc超4,000cc以下:65,500円
・4,000cc超4,500cc以下:75,500円
・4,500cc超6,000cc以下:87,000円
・6,000cc超:110,000円
2019年9月以前に登録された車両には旧税率が適用されるため、同じ排気量でも登録時期によって税額が異なります。たとえば1,500cc超2,000cc以下の場合、旧税率は39,500円ですが、新税率では36,000円と年間3,500円の引下げになっています。
軽自動車税の税額
軽自動車税(種別割)は排気量による段階区分がなく、自家用乗用の四輪軽自動車は一律10,800円です。2015年4月1日以降に最初の新規検査を受けた車両に適用される税額で、それ以前の車両には旧税率7,200円が適用されます。
普通自動車と比較すると、たとえば1,000cc以下の車の自動車税25,000円に対し、軽自動車税は10,800円と年間14,200円の差があります。維持費を抑えたい場合、この税額差は車選びの判断材料になるでしょう。
出典:総務省「2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります」
グリーン化特例による税額の増減

自動車税・軽自動車税には、環境性能に応じて税額を増減する「グリーン化特例」が設けられています。環境負荷の小さい車には軽課(減税)、負荷の大きい低年式車には重課(増税)が適用される仕組みです。
グリーン化特例(軽課):電気自動車等は翌年度75%軽減
電気自動車、燃料電池自動車、天然ガス自動車などを新車で取得した場合、新規登録の翌年度に限り自動車税(種別割)がおおむね75%軽減されます。たとえば、1,500cc超2,000cc以下の区分で通常36,000円のところ、約9,000円で済む計算です。
軽自動車のグリーン化特例(軽課)も同様に、2026年3月31日までに新車登録した電気自動車等は翌年度の税額が75%軽減されます。ただし、ガソリン車やハイブリッド車は軽課の対象外となっている点に注意が必要です。
グリーン化特例(重課):13年超の車は税額が上乗せ
環境負荷の軽減を目的として、新車登録からガソリン車・LPG車は13年超、ディーゼル車は11年超で、自動車税(種別割)がおおむね15%重課されます。たとえば、1,500cc超2,000cc以下で旧税率39,500円の車が13年を超えると、約45,400円に増加します。
軽自動車の場合は、13年超でおおむね20%の重課となり、自家用乗用車は10,800円から12,900円に引き上げられます。ただし、電気自動車やハイブリッド車は重課の対象外です。長期間同じ車に乗り続ける場合は、税額の増加分も維持費として計算に入れておく必要があるでしょう。
月割課税と登録時期による節税

自動車税と軽自動車税では、年度途中に車を取得した場合の課税方法が異なります。この違いを知っておくことで、登録時期による節税が可能になる場合があります。
自動車税は月割で課税される
年度途中に新車または中古車の新規登録を行った場合、自動車税(種別割)は登録月の翌月から3月までの月割りで計算されます。計算式は「年税額 × 登録月の翌月から3月までの月数 ÷ 12」で、100円未満は切り捨てです。
たとえば、年税額36,000円の車を9月に登録した場合、翌10月から3月までの6か月分で18,000円になります。3月末に登録するよりも4月初めに登録した方が約1か月分の節税になるため、購入時期を月末から翌月初めにずらすことが節税のポイントです。
軽自動車税は月割制度がない
軽自動車税(種別割)には月割課税の制度がありません。4月2日以降に取得した場合、その年度の軽自動車税は課税されず、翌年度から課税が始まります。つまり、4月2日以降の早い時期に購入すれば、約1年分の軽自動車税(10,800円)が実質的に不要になる計算です。
一方で、3月末に廃車にしても月割での還付はなく、その年度分の税金は全額負担となります。登録車の自動車税は年度途中の抹消登録で月割還付を受けられるのとは対照的です。
2026年度税制改正による変更点

令和8年度(2026年度)の税制改正大綱では、自動車にかかる税金に関していくつかの重要な変更が決定されています。購入時期や車種選びに影響する改正内容を確認しましょう。
環境性能割が2026年3月末で廃止
自動車の取得時に燃費性能等に応じて課税されてきた環境性能割は、令和8年度税制改正大綱により2026年3月末で廃止されることが決まりました。環境性能割は取得価額に対して0〜3%が課税されており、たとえば300万円のガソリン車(3%課税)では最大約9万円の負担軽減になります。
ただし、電気自動車やプラグインハイブリッド車など環境性能の高い車種はもともと環境性能割が非課税のため、廃止による恩恵は限定的です。購入を検討中の場合は、所有する車種の環境性能割がいくらかを確認したうえで、登録時期を判断するとよいでしょう。
エコカー減税の延長とEVへの課税強化方針
自動車重量税を減免する「エコカー減税」は、基準を厳格化したうえで2年延長されます。また、グリーン化特例(軽課・重課)も現行のまま2年延長される予定です。
一方で、2028年以降は電気自動車やプラグインハイブリッド車に対して、車体重量に応じた追加の税負担が課される方針が示されています。電気自動車は排気量ゼロのため現在は自動車税が最低税額で済んでいますが、重いバッテリーによる道路への負荷を理由に、新たな課税が検討されている状況です。
自動車にかかる税金の全体像を把握する

自動車税・軽自動車税は保有段階で毎年かかる税金ですが、自動車には取得・保有・走行の各段階で複数の税金が課されています。全体像を理解しておくと、車の購入や維持にかかる総コストを正確に把握できます。
取得時・保有時・走行時の税負担
自動車にかかる主な税金は以下のとおりです。
・取得時:環境性能割(2026年3月末廃止予定)、消費税(10%)
・保有時:自動車税または軽自動車税(種別割)=毎年、自動車重量税=車検時
・走行時:揮発油税・地方揮発油税(ガソリン税)、軽油引取税
家計全体の支出管理の観点からは、毎年の自動車税だけでなく、2年に1回の車検時に支払う自動車重量税や、走行距離に応じて増減するガソリン税も含めた「年間の自動車関連支出」として一括管理するのが効果的です。とくに軽自動車と普通自動車では、自動車税の差額だけでなく自動車重量税や保険料も異なるため、トータルコストで比較する視点が重要になります。
障害者減免制度の活用
身体障害者手帳、戦傷病者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持っている方で、一定の障害等級に該当する場合、自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)の減免を受けられる制度があります。対象となる障害の等級や減免額は自治体によって異なるため、お住まいの都道府県税事務所や市区町村窓口に確認してみてください。
まとめ
自動車税(種別割)と軽自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点の所有者に課税される地方税で、排気量に応じて25,000円から110,000円(軽自動車は一律10,800円)の税額が設定されています。
保有コストを抑えるためのポイントは以下のとおりです。
・登録時期の工夫:月末よりも翌月初めの登録で約1か月分の節税が可能。軽自動車は4月2日以降の取得で約1年分の非課税メリットがある
・13年超の重課に注意:ガソリン車は13年超で約15%、軽自動車は約20%の税額増。乗り換え時期の判断材料になる
・2026年3月末の環境性能割廃止:取得時の税負担が軽減されるが、車種によって恩恵の大きさは異なる
・トータルコストで判断:自動車税だけでなく、自動車重量税・ガソリン税・保険料を含めた年間維持費で車種を比較する
自動車関連の税制は改正が頻繁に行われるため、購入や乗り換えを検討する際は、最新の制度内容を確認したうえで判断することをおすすめします。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。
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