自動車保険
自動車保険の保険金請求ガイド|手続きの流れと支払い期間を徹底解説

自動車事故が起きた際、適切に保険金請求を行うためには、正しい手続きの流れを理解しておくことが重要です。本記事では、事故直後の対応から必要書類の準備、さらには保険金が支払われるまでの期間や注意点を、最新データも交えてわかりやすく解説します。
保険金請求の具体的な手順と必要書類

事故発生後の初期対応
・まずは警察へ連絡し、事故証明を取得します。
・けが人がいる場合は救急要請を最優先に。
・相手方の氏名・連絡先・車両ナンバーなどを記録しておきましょう。
保険会社への連絡方法
・事故現場から速やかに契約している保険会社へ連絡します。
・専用ダイヤルやスマホアプリを通じて、事故日時・場所・状況をできるだけ正確に伝えることが大切です。
必要書類の準備と提出
・交通事故証明書
・修理見積書
・医師の診断書(人身事故の場合)
・事故状況報告書(保険会社所定用紙)
これらを揃えて保険会社に提出。提出期限があるため、指示されたスケジュールを守ることが重要です。
保険金の支払いまでの期間と注意点

ここでは保険金が支払われるまでの期間や、支払いが遅れるケース、注意すべきリスクについて解説します。実際の流れを知っておくことで、いざというときに不安を軽減し、冷静に対応できます。
支払いが完了するまでの期間の目安
一般的には、必要書類がすべて揃い損害調査が終わると、1〜2か月程度で保険金が支払われます。状況がシンプルで書類に不備がなければ、より短期間で完了することもあります。
支払いが遅れるケース
・過失割合の争い
・必要書類の不足
・被害額が高額で調査が長期化
これらによって支払いが通常より遅れる可能性があります。
保険金詐欺の危険性と注意点
虚偽申告や過大請求は保険金詐欺として刑事罰の対象になります。正確な情報にもとづいて手続きを行い、事実を誠実に報告することが肝要です。
最新実績で見る、保険金支払いの現状(2023年度統計)

損害保険料率算出機構の「自動車保険の概況 2024年度版(2023年度統計)」(2025年4月発行)によれば、2023年度の保険料(収入)は3兆8,730億円で、前年から+215億円(+0.6%)の増加でした。
一方、同資料の図表から算出すると、2023年度の支払保険金総額は約2兆610億円で、前年から約+1,525億円(+8.0%)の増加と推計されます。これらの数値を基に算出した簡易損害率(=支払保険金÷収入保険料)は約53.2%となり、収入の伸びを支払いの伸びが大きく上回っている状況が明らかです。
出典:損害保険料率算出機構「自動車保険の概況 2024年度版(2023年度統計)」(2025年4月発行)
まとめ
自動車保険の保険金請求においては、事故対応から書類の準備、提出、支払いまでの流れを正しく理解しておくことが不可欠です。また、最新統計では、支払いが増加傾向であること、修理費の上昇が影響していることが明らかになっており、迅速・正確な請求が求められています。この記事を通じて、事故時にも冷静でスムーズな対応ができるよう準備しておきましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。