自動車保険
海外転勤時の自動車保険手続きの注意点|中断証明書で等級を温存する仕組み

海外転勤が決まると、日本国内で車を使用しない期間が発生します。この間に自動車保険をどう扱うかを誤ると、無駄な保険料を支払ったり、積み重ねた等級を失効させてしまう恐れがあります。
本記事では、海外転勤時に必要となる保険手続きと、帰国後に保険料負担を軽減できる中断証明書の活用について解説します。
海外転勤時に自動車保険の手続きが必要な理由

長期の海外赴任では日本で車を使用しないため、保険を継続すると補償を使わないのに保険料を払い続ける状態になります。また、自動車保険のノンフリート等級制度は無事故継続により割引が増す仕組みですが、解約時に適切な対応をしないと帰国後に等級を引き継げない可能性があります。そのため、転勤前に必ず手続きの検討が必要です。
海外転勤時に検討すべき3つの手続き

海外転勤が決まった際に検討しておきたい手続きは、主に以下の3つです。
・手続き1:自動車保険の解約
使用しない期間の保険料支払いを止めることで、無駄なコストを防ぎます。
・手続き2:中断証明書の発行
帰国後に再度車を保有する際、解約前の等級を引き継いで再契約するために重要です。
・手続き3:海外で運転する場合の特約確認
赴任先で運転する予定がある場合、日本の保険契約に付帯できる海外運転特約の有無を確認しておきましょう。
等級を温存する「中断証明書」とは?

中断証明書は、自動車保険を解約する際に、契約者が積み上げた等級を保存し、帰国後の再契約時に再び同じ等級から契約を始められるようにする制度です。
・制度の仕組み:証明書を発行しておけば、解約しても等級を一定期間維持できます。
・注意点:保険会社により条件や有効期間が定められているため、解約の際に必ず発行を依頼しましょう。
関連する公的制度と手続き

自動車保険の契約を中断する場合には、車そのものの登録手続きや自賠責保険制度の仕組みとも関係します。
・一時抹消登録:海外赴任で車を使わない場合、運輸支局で一時抹消登録を行うとナンバープレートを返納し、使用を中断できます。詳細は国土交通省の案内を参照してください。
国土交通省 自動車検査登録総合ポータル:一時抹消登録
・自賠責保険制度:すべての車両は自賠責保険への加入が義務づけられています。制度の概要は国土交通省が公表しています。
国土交通省:自賠責保険・共済ってどんなもの?
・関連法令:自賠責保険制度の根拠法は「自動車損害賠償保障法」です。
e-Gov法令検索:自動車損害賠償保障法
まとめ|海外転勤時の手続きで無駄な保険料をなくす
海外転勤が決まったら、まず自動車保険の解約と中断証明書の発行を検討することが大切です。加えて、車両の一時抹消登録や自賠責保険制度との関係を理解しておくことで、帰国後もスムーズに再契約が可能になります。無駄な出費を抑えつつ、将来の備えを整えるためにも、早めの対応を心がけましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。