自動車保険
【2025年10月】自動車保険料が過去最大の値上げへ|大手4社の改定時期と保険料を抑える5つの対策

年間保険料が5万円の場合、8.5%の値上げで約4,250円の負担増となる計算です。この記事では、値上げの背景と各社の改定スケジュール、そして保険料を抑えるための具体的な対策を解説します。
自動車保険料が値上がりする3つの理由
今回の保険料値上げは、複数の要因が重なった結果です。
物価上昇による修理費・部品代の高騰
近年の車には衝突被害軽減ブレーキなどの安全運転支援システムが搭載され、センサーやカメラが多数取り付けられています。事故の際には高度な修理技術が必要となり、部品代も高額化しています。
損害保険料率算出機構の統計によると、2019年度に1兆9,704億円だった自動車保険の保険金支払額は、2023年度には2兆609億円に達しました。電気代や人件費の上昇も修理・整備費用の増加に影響しています。
交通事故件数の高止まり
新型コロナウイルスの流行で一時的に減少した自動車の交通量が回復し、それに伴い交通事故の件数も増加傾向にあります。保険金の支払いが想定を上回る状況が続き、保険会社の収支を圧迫しています。
自然災害の多発
台風や豪雨、雹(ひょう)災害による自動車被害が増加しています。自然災害は一度発生すると広い地域にわたって損害が発生するため、支払保険金が増加する要因となっています。
大手損保4社の値上げスケジュール
保険料の値上げは大手損害保険会社全体に広がっています。各社の改定スケジュールを確認しましょう。
2025年1月の改定(実施済み)
・東京海上日動火災保険:約3.5%引き上げ
・損害保険ジャパン:約5%引き上げ
・三井住友海上火災保険:約5%引き上げ
・あいおいニッセイ同和損害保険:約5%引き上げ
2025年10月の改定
・東京海上日動火災保険:約8.5%引き上げ(異例の年2回改定)
東京海上日動では、修理費単価の上昇や事故件数の高止まりを背景に、自動車保険の収支が悪化。例年1月の保険料改定時期を待たずに引き上げることが必要と判断しました。8.5%という値上げ幅は、2008年以降で最大となります。
2026年1月の改定予定
・損害保険ジャパン:約7.5%引き上げ
・三井住友海上火災保険:約7%引き上げ
・あいおいニッセイ同和損害保険:約6%引き上げ
保険料が実際に値上がりするのは、改定日以降に自動車保険の契約や更新を行った時点からとなります。改定前に契約・更新した場合は、次の満期を迎えるまで保険料は変わりません。
軽自動車の保険料も変わる可能性
契約している保険会社が全体的な値上げを行わない場合でも、軽自動車に乗っている場合は保険料が変わる可能性があります。2025年1月より軽自動車の型式別料率クラスが3クラスから7クラスに拡大されたためです。
型式別料率クラスとは、車の型式ごとにリスクを数値化したものです。クラスの数字が大きいほどリスクが高く、保険料も高くなります。従来は最大と最小の保険料の差が1.2倍でしたが、改定後は約1.7倍に拡大しました。
所有している車の料率クラスは、損害保険料率算出機構の「型式別料率クラス検索」で調べることができます。
出典:損害保険料率算出機構
約10台に1台が任意保険に未加入という現実
自動車保険には「自賠責保険(強制保険)」と「任意保険」の2種類があります。自賠責保険は車検時に加入が義務付けられており、対人事故による損害を補償しますが、補償額には上限があります。
損害保険料率算出機構の統計によると、任意保険(共済含む)の加入率は全国平均で約88.7%です。言い換えれば、約10台に1台は任意保険に加入していない計算になります。
都道府県別では加入率に差があり、沖縄県では加入率が約58%と全国で最も低い水準にあります。無保険車との事故に巻き込まれた場合、十分な補償を受けられないリスクがあるため、自身の補償内容を確認しておくことが重要です。
出典:損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」2024年度版
自動車保険料を抑える5つの対策
保険料の値上げに対して、いくつかの対策を講じることで負担を軽減できます。
1. 車種選びで料率クラスを意識する
車種によって保険料の「料率クラス」は異なるものです。これは過去の事故データに基づき、自動車の種類ごとに事故リスクを数値化したもので、料率クラスが高いほど保険料も高くなります。
購入を検討している車種がある場合は、損害保険料率算出機構のウェブサイトで「型式別料率クラス検索」を利用し、比較してみてください。料率クラスが低い車種を選ぶことで、保険料を抑えられる可能性があります。
2. 免責金額(自己負担額)を設定する
保険金を請求する際に契約者が自己負担する金額を「免責金額」と言います。例えば免責金額を5万円と設定した場合、修理費用が20万円なら、そのうち5万円は自己負担となり、残りの15万円が保険金として支払われます。
免責金額を高く設定するほど保険料は安くなります。万が一の出費に備えられるだけの貯蓄がある場合は、免責金額の引き上げを検討してみましょう。
3. 車両保険の要否を見直す
車両保険は自身の車の損害を補償するものです。新車購入時には必要性が高いですが、車の価値が下がるにつれて、その必要性も変わってきます。
損害保険料率算出機構の統計によると、車両保険の加入率は全国平均で約47%です。盗難リスクの高い車種や自然災害が多い地域に住んでいる場合は必要性が高いものの、古い車で買い替えを検討している場合などは、車両保険を外すことも選択肢の一つとなります。
出典:損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」2024年度版
4. 年齢条件や運転者限定を適切に設定する
運転する人の年齢を制限したり、運転者を本人や家族に限定したりすることで、保険料を抑えることができます。
・運転者限定を「本人のみ」「本人・配偶者のみ」にする
・年齢条件を「35歳以上」などに設定する
ただし、同居している子どもが免許を取得した場合など、運転者の範囲に変更が生じた際は、条件の見直しが必要になるため注意が必要です。
5. ゴールド免許を維持する
無事故・無違反を続けると取得できるゴールド免許は、保険料が割引されるメリットがあります。東京海上日動では、2025年1月の改定でゴールド免許割引率を最大15%から最大18%に拡大しました。
日頃から安全運転を心がけ、ゴールド免許を維持することが保険料節約にもつながります。
まとめ
2025年から2026年にかけて、大手損害保険会社4社が自動車保険料の値上げを実施します。物価上昇による修理費高騰、交通事故件数の高止まり、自然災害の多発といった複合的な要因が背景にあり、この傾向は今後も続く可能性があります。
しかし、保険料の値上げを受け入れるだけでなく、自身の車の使い方やライフスタイルに合わせて対策を検討することで、負担を軽減することは可能です。
・料率クラスの低い車種を選ぶ
・免責金額を設定する
・車両保険の要否を見直す
・年齢条件や運転者限定を適切に設定する
・ゴールド免許を維持する
次の更新時期が近づいたら、一度契約内容を見直し、複数の保険会社で見積もりを比較してみることをおすすめします。



