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新NISAの「おすすめ銘柄」は?プロが推奨する投資信託・高配当株の選び方

新NISAの大きな非課税枠を最大限に活かすためには、適切な銘柄選びが非常に重要です。しかし、世の中には数えきれないほどの金融商品があり、その中から自分に合った「おすすめ銘柄」を見つけるのは至難の業だと感じるかもしれません。
この記事では、特定の具体的な銘柄名を挙げるのではなく、投資のプロが重視する普遍的な選び方のポイントを解説します。新NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」でそれぞれどのような投資信託や株式が一般的に推奨されるか、そしてそれらをどのように選ぶべきか、具体的な考え方や基準を提供します。
新NISAの基本をおさらい:2つの投資枠の特性を理解する

新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの枠があり、それぞれ適した投資商品や戦略が異なります。
【つみたて投資枠(年間120万円まで)】
・特徴: 金融庁が定めた、長期・積立・分散投資に適した投資信託が対象。コストが低く、頻繁な売買には向かない設計。
・役割: 主に長期的な資産形成の「土台」「コア資産」を築くための枠。
【成長投資枠(年間240万円まで)】
・特徴: 個別株、上場投資信託(ETF)、つみたて投資枠対象外の投資信託など、幅広い商品が対象。
・役割: より積極的にリターンを狙いたい場合や、特定のテーマ・企業に投資したい場合に活用する枠。「サテライト(衛星)資産」とも呼ばれることも。
これらの特性を踏まえ、それぞれの枠で「おすすめされる」商品の選び方を見ていきましょう。
新NISAの基本については、以下の記事を参考にしてください。
NISAとは?2025年最新情報!初心者にもわかりやすく徹底解説
「つみたて投資枠」の選び方:迷ったらこれ!長期資産形成の王道
つみたて投資枠は、その名のとおり「積立投資」に特化した枠です。ここでは、長期・分散・積立という投資の基本戦略を実践するための「おすすめされる」投資信託の選び方を解説します。
プロが重視するポイント
1.信託報酬(運用コスト)の低さ: 投資信託を保有している期間中、毎日発生する「信託報酬」は、長期で運用するほど利益に大きな影響を与えます。同種のファンドであれば、コストが低いものを徹底的に選ぶのが鉄則です。
2.純資産総額の大きさ: その投資信託に集まっている資金の総額(純資産総額)が大きいファンドは、多くの投資家から支持されており、安定した運用が期待できます。
3.特定の指数に連動する「インデックスファンド」: 特定の指数(例:S&P500、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスなど)に連動することを目指すファンドは、一般的に信託報酬が低く、長期的に市場全体の成長を取り込みやすいとされています。
4.幅広く「分散」されているか: これ1本で、世界の株式市場全体や、先進国と新興国など、複数の地域や資産に幅広く分散投資できるファンドは、リスクを抑えながら成長を目指せるため、初心者にも強く推奨されます。
分散投資については、以下の記事が参考になります。
長期・積立・分散投資とは?資産運用の王道で不安を解消し、賢く増やす方法
具体的な選択肢の考え方
・全世界の株式に投資するインデックスファンド: これ1本で、日本を含む先進国から新興国まで、世界中の株式市場に幅広く投資できます。国際分散投資が自動的に行われるため、地域リスクを抑えつつ、世界経済全体の成長を取り込みたい方に最適です。
・米国株式(S&P500など)に投資するインデックスファンド: 高い成長力を誇る米国市場の主要企業に投資したい場合に選ばれます。米国の代表的な指数に連動するファンドは、長期的に高いリターン実績を持つものが多く、特に成長性を重視する方に人気です。
これらのファンドは、長期積立投資の「コア(核)」となる資産として、新NISAのつみたて投資枠で最大限に活用すべき選択肢と言えるでしょう。
「成長投資枠」の選び方:高配当株やテーマ株、戦略的投資信託
成長投資枠は、個別株投資や、より多様な投資信託に活用できる枠です。ここでは、高配当株や成長期待の銘柄、または特定のテーマに沿った投資信託を選ぶ際のポイントを解説します。
高配当株の選び方:不労所得を目指す
安定した配当収入(インカムゲイン)を目的とする高配当株投資は、新NISAの非課税メリットを享受しながら、定期的な収入を得たい方に人気です。
【プロが重視するポイント】
・継続的な配当実績と増配傾向: 一時的な高配当ではなく、過去にわたって安定して配当を支払っており、将来的にも増配が見込める企業を選びましょう。
・業績の安定性・成長性: 配当の原資となる企業の利益が安定しているか、あるいは成長しているかを確認します。景気変動に強いインフラ関連や生活必需品、安定した収益基盤を持つ企業が候補になりやすいです。
・財務健全性: 無理な借金をして配当を出していないか、自己資本比率など財務指標も確認し、倒産リスクが低い企業を選びましょう。
・配当性向とフリーキャッシュフロー: 利益のうちどれくらいを配当に回しているか(配当性向)と、自由に使えるお金(フリーキャッシュフロー)が潤沢にあるかを確認することで、将来の配当の持続性を測ることができます。
【具体的な選択肢の考え方】
・特定の業種(例:通信、電力、ガス、鉄道など)の中から、長年の配当実績と安定したビジネスモデルを持つ企業を探す。
・国内の有名企業で、株主還元に積極的な方針を掲げている企業をリストアップする。
成長期待の個別株の選び方:攻めの投資
企業の成長とともに株価上昇(キャピタルゲイン)を狙う投資です。
【プロが重視するポイント】
・市場全体の成長トレンド: 成長市場(例:半導体、AI、再生可能エネルギー、DX関連など)に属し、その中でリーダーシップを発揮している企業を探します。
・競争優位性: 独自の技術、ブランド力、参入障壁の高さなど、他社には真似できない強み(モート)を持つ企業は、長期的な成長が期待できます。
・経営戦略と事業計画: 企業の成長戦略が明確で、具体的な事業計画に裏付けられているかを確認します。
・財務状況の確認: 成長株の場合でも、売上や利益が着実に伸びているか、適切な投資が行われているかなどを確認しましょう。
【具体的な選択肢の考え方】
・新しい技術やサービスで、業界をリードする可能性を秘めた企業。
・グローバルに事業を展開し、海外市場での成長も見込める企業。
戦略的な投資信託の選び方:テーマ投資やバランス投資
成長投資枠では、つみたて投資枠では選べない多様な投資信託も対象になります。
【プロが重視するポイント】
・特定のテーマに特化した投資信託: 例えば、AI、クリーンエネルギー、バイオテクノロジーなど、今後成長が見込まれる特定のテーマに集中投資したい場合に有効です。ただし、テーマ型ファンドは一般的にリスクが高いことを理解しておきましょう。
・バランス型投資信託: 株式と債券など、複数の資産クラスに分散投資するファンド。自身のポートフォリオのバランスを取りたい場合に活用できます。
・アクティブファンドの選定: インデックスを上回るリターンを目指す「アクティブファンド」に挑戦したい場合は、ファンドマネージャーの運用実績や哲学、信託報酬を慎重に吟味しましょう。
まとめ:新NISAの非課税枠を賢く活用するための「選び方」
新NISAの「おすすめ銘柄」は、一律に決まっているものではなく、あなたの投資目的、リスク許容度、そして資産形成の目標によって異なります。
・まずは「つみたて投資枠」で堅実なコア資産を形成する。
・次に「成長投資枠」で、自身の興味やリスク許容度に応じて高配当株や成長株、戦略的な投資信託を検討する。
この組み合わせで、新NISAの非課税枠を最大限に活用し、リスクを抑えつつ、効率的に資産形成を進めることが、プロが推奨する賢い投資戦略と言えるでしょう。焦らず、自身の判断基準を持って、納得のいく銘柄選びを進めてください。