自動車保険
新社会人・学生のための自動車保険ガイド|保険料を抑える7つのコツ

新社会人や学生にとって、自動車保険は「安心して車を利用するための必須の備え」です。しかし初めて契約する方にとっては「なぜこんなに高いの?」「どのプランを選べばいいの?」と疑問が多いものです。本記事では、自動車保険の仕組みと、保険料を抑える7つのコツを分かりやすく解説し、さらに契約時のチェックポイントまで詳しく紹介します。
新社会人や学生が自動車保険に加入すべき理由

概要:初めての運転・通学通勤での走行増により、万一の賠償リスクに備える必要があります。自賠責だけではカバーしきれないため、任意保険の加入が重要です。
・事故による賠償リスクを軽減
・任意保険未加入の「無保険車」との事故に備える
特に対人事故では1億円を超える賠償額になることもあります。日本では自賠責保険(強制保険)が義務付けられていますが、補償限度額は「傷害:120万円」「死亡:3,000万円」「後遺障害:介護を要する障害=常時介護4,000万円/随時介護3,000万円、それ以外=3,000万円(1級)~75万円(14級)」と定められており(国土交通省)、十分とは言えません。したがって任意保険の加入が不可欠です。
新社会人や学生の自動車保険料が高い理由と仕組み

概要:年齢条件と等級制度が主因です。若年層は統計上のリスクが高く見積もられ、初契約は等級が低いため割引が効きにくい構造です。
・年齢条件:若年層は事故リスクが高く、保険料が高く設定されやすい
・等級制度:新規は6等級から開始し、無事故を重ねて割引が進む
警察庁公表データでも、年齢層による事故関与の偏りが示されており(警察庁)、保険料が若年層で高くなる背景と整合します。とはいえ安全運転で無事故を重ねれば等級が上がり、保険料は段階的に下がります。
新社会人や学生が自動車保険料を安く抑える7つのコツ

概要:補償は落としすぎず、リスク低減と条件見直しでコスト最適化を図ります。
コツ1:年齢条件を正しく設定して保険料を抑える
原則:契約車両を運転する最も若い人の年齢に合わせる必要があります。自身や同居家族に20~25歳の運転者がいれば「26歳以上補償」は選べません。例えば22歳の方が選べるのは「全年齢」または「21歳以上補償」で、26歳以上補償は補償対象外となり、事故時に保険が適用されない重大なリスクがあります。
逆に、同居家族も含めて運転者が全員26歳以上であれば「26歳以上補償」に設定することで保険料を抑えられます。生活環境の変化(同居や貸し借り)があれば、直ちに年齢条件を見直しましょう。
コツ2:対人・対物賠償は無制限で安心を確保
億単位の賠償に備える基礎。ここは節約しないのが鉄則です。
コツ3:車両保険は本当に必要か見極める
新車・ローン中は付帯を検討。一方、時価評価額が低い中古車は、保険料と自己負担のバランスを冷静に判断します。
コツ4:運転者の範囲を限定して保険料を下げる
「本人限定」「家族限定」等でリスク範囲を狭めると保険料を節減できます。
コツ5:家族の自動車保険の等級を賢く活用する
(A)セカンドカー割引:2台目以降の新規契約を優遇
世帯の2台目以降を新規契約する際、通常の6等級より有利な7等級から開始できる制度です(※条件や取扱いは保険会社により異なる)。初めて自分名義の車を持つ新社会人でも、世帯での2台目として扱える場合は保険料を抑えやすくなります。
(B)等級継承(家族間の引継ぎ):既存の等級を譲渡
家族内で車の名義変更や中断証明の活用等により、既存契約の等級を別の家族に引き継ぐ制度です。例えば親が高等級で乗り換えるタイミングに、子がその等級を引継ぎ、新規スタート時の保険料負担を軽減できます(同居・使用実態などの要件に注意)。
※上記(A)と(B)は別制度です。混同せず、世帯状況に応じて最適な方法を選びましょう。
コツ6:インターネット申し込みで割引を活用
ネット申込割引や手続き簡素化でコストと手間を低減。
コツ7:割引制度を組み合わせてさらに節約
・ゴールド免許割引
・新車/エコカー割引
・継続割引/複数契約の一体化
・安全装備(ASV)等の要件に応じた割引
新社会人・学生が自動車保険を選ぶときのチェックリスト

概要:価格だけでなく、補償の厚み・事故対応・付帯サービスを俯瞰して判断します。
・補償内容と保険料のバランス(削りすぎ注意)
・事故対応(夜間・休日・示談支援)とロードサービスの範囲
・将来の等級上昇を見据えた継続性(乗換時の条件・家族の構成変化)
まとめ|新社会人や学生は自分に合った自動車保険を選んで安心のカーライフを
保険料は若年層で高めでも、無事故継続で等級が上がれば下がっていきます。年齢条件を正しく設定し、賠償はしっかり確保、車両保険や運転者限定で最適化する。制度を正しく理解しつつ、生活実態の変化時に必ず条件を見直すことが、ムダのない安全な保険選びのコツです。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。