学資保険
学資保険で失敗する人の共通点5つ|FPが教える回避策とシミュレーション

ここでは、学資保険で失敗しやすい5つの共通点と、FPとしての回避策を解説します。
途中解約による元本割れ

学資保険は長期契約が前提であり、契約から数年以内に解約すると返戻金が払込総額を下回ります。特に契約初期は販売経費・手数料が差し引かれるため、元本割れ幅が大きくなります。
FP視点の回避策
契約前に満期まで払える資金計画を立て、家計変動時でも継続できる金額に設定しましょう。ライフイベント(転職、住宅購入、出産)も想定しておくことが重要です。
プランのミスマッチ

学資保険には受取時期や方法が異なる複数のタイプがあります。必要な時期に受け取れないプランを選んでしまうと、急な資金不足に陥ることもあります。
FP視点の回避策
「いつ・いくら必要か」を事前に明確化。教育費は大学入学時だけでなく、高校や中学でも大きな支出があります。ライフプラン表で他の資金手段と組み合わせて検討しましょう。
特約過多による返戻率の低下

特約は保障を追加できますが、付けすぎると返戻率が下がります。貯蓄目的で契約する場合、特約分の保険料は積立に回らず、効率が悪化します。
FP視点の回避策
教育資金準備は学資保険、保障は掛け捨て型など別商品で対応するほうが効率的です。
インフレへの対応不足

満期金は契約時に確定しますが、長期契約の間に物価が上昇すると、実質的な購買力が下がります。
FP視点の回避策
全額を学資保険で準備せず、一部を投資信託や親名義での新NISAを活用したインフレに強い運用に回す方法も検討しましょう。
保険料支払い方法の不適切な選択

月払いは払いやすい反面、年払いに比べて総額が割高になることが多いです。また、クレジットカード払いによるポイント還元を活用しないのも機会損失です。
FP視点の回避策
可能なら年払いを選び、カード払いが可能な場合は還元分も実質的な利回りとして計算しましょう。
5つの失敗を避けるためのシミュレーション例

ここでは、家計シナリオごとに簡単なシミュレーションを示します。
1.途中解約回避のための資金計画
月1万円を15年間積み立てるプランを検討する場合、途中で支払困難になるリスクを減らすため、最初から月8,000円程度に抑え、余剰分は流動性の高い預金に回す。
2.プランミスマッチの回避
高校・大学進学時に各100万円が必要な家庭は、一括受取型ではなく、2回分割受取型を選択し、タイミングごとに資金を確保。
3.特約過多による返戻率低下の回避
学資保険は特約なしで契約し、医療保障は掛け捨て型共済(月1,000円前後)で別管理することで、返戻率を約105%→108%に改善。
4.インフレ対策
必要資金300万円のうち200万円を学資保険、100万円を年利3%運用の投資信託に回すことで、15年後には合計で約336万円(運用分の複利効果含む)を確保。
5.支払い方法の工夫
年払いに変更することで、総支払額を約1.5万円削減。さらに1%還元カードで支払えば、15年間で約3,000ポイントが加算され実質利回りを上昇。
まとめ
学資保険は「長期契約・受取時期固定・元本保証型」という特性を持つ一方で、契約内容の選択や管理方法を誤ると大きな損失につながります。今回の5つの失敗例とシミュレーションを参考に、自分のライフプランに合った形で活用すれば、効率的かつ安心して教育資金を準備できます。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。