生命保険
収入保障保険の選び方:万が一の備えを必要な期間だけ確保する

「毎月の生活費のように、年金形式で保険金を受け取れる保険があるって本当?」
死亡保険は、万が一の事態に備えて、残された家族の生活を守るための大切な備えです。その中でも「収入保障保険」は、保険金を一括ではなく、年金のように毎月受け取れる、働き盛りの世代に特に適した保険です。
この記事では、収入保障保険の選び方を徹底解説します。収入保障保険の仕組みや、保険料が割安であるメリットを詳しく解説。そして、遺族年金や死亡退職金との連携、どんな人が加入すべきか、減額や延長の可否まで、万が一の備えを必要な期間だけ効率的に確保するためのヒントを提案します。
収入保障保険の仕組みとメリット・デメリット

収入保障保険とは、契約者が亡くなった後、遺された家族が、保険期間満了まで年金のように毎月一定額の保険金を受け取れる死亡保険です。
収入保障保険の仕組み
保険金の受取形式:
・一括で受け取る一般的な死亡保険とは異なり、毎月定額(例:月10万円、20万円など)で保険金を受け取ります。
・一括受取の選択肢: 年金形式だけでなく、受け取り時に一括受取を選択できる商品もあります。 ただし、一括受取の場合は、年金で受け取るよりも総額が少なくなる点に注意が必要です。
保険金の総額が減っていく:
保障期間が満了するまでの期間が短くなるにつれて、受け取れる保険金の総額も減少していきます。
最低保証期間:
多くの商品には、保険期間の満了間近に万一のことがあった場合でも、一定期間(一般的に2年間や5年間など)は必ず保険金を受け取れる「最低保証期間」が設けられています。
保険料が割安であるメリットとデメリット
メリット:
・保険料が安い: 他の死亡保険(終身保険など)に比べて、保険料が安価です。保険金が年々減っていく仕組みのため、保険会社のリスクが低いことが理由です。
・家計に優しい: 少ない保険料で大きな保障を確保できるため、家計を圧迫せずに万が一の備えができます。
・計画的な生活費: 遺された家族が保険金を一度に使い切ってしまうリスクがなく、計画的な生活費として活用できます。
デメリット:
・保険金の総額が減る: 早く亡くなった場合は受け取れる保険金の総額が大きくなりますが、長生きするほど受け取れる総額は減ります。
・解約返戻金が少ない: 定期保険と同様に「掛け捨て型」のため、解約返戻金はほとんどありません。
遺族年金や死亡退職金との連携

収入保障保険を検討する上で、公的保障である遺族年金や、勤務先からの死亡退職金などを考慮することが重要です。
遺族年金との連携
・遺族年金の仕組み:
遺族年金は、遺された家族の生活を支える公的年金です。遺族基礎年金や遺族厚生年金があり、家族構成や年金加入期間によって受給額が異なります。
・収入保障保険で上乗せ:
遺族年金だけで生活費が不足する場合、収入保障保険で不足分を補うことで、公的保障と合わせて安心して生活を送ることができます。
死亡退職金との連携
・死亡退職金の活用:
勤務先から支給される死亡退職金は、葬儀費用など一時的な出費に充てることができます。
・収入保障保険で補完:
収入保障保険は、死亡退職金では補えない、長期的な生活費を年金形式で補完する役割を担います。
どんな人が加入すべきか、どんな人が見直しをすべきか

収入保障保険は、特定のニーズを持つ方にとって非常に有効な保険です。
加入を検討すべき人
・子育て世代: 子どもが独立するまでなど、特定の期間に大きな保障が必要な家庭。
・共働き夫婦: 夫婦それぞれの収入を確保したい場合。
・住宅ローンがある人: ローン残高の減少とともに保障額も減っていくため、保障額を住宅ローン残高に合わせて設定できる保険がおすすめです。
・保険料を安く抑えたい人: 少ない保険料で大きな保障を確保したい人。
見直しを検討すべき人
・子育てが一段落した人: 子どもが独立し、必要な保障額が減った場合。
・貯蓄が十分にできた人: 老後資金や万が一の備えが十分にできた場合。
・保険料の負担が重くなった人: 保険料の負担が家計を圧迫している場合。
ポイント: 見直しの際には、保障額を減額したり、保険期間を短くしたりすることで、保険料を安く抑えることができます。
減額や延長の可否と注意点

収入保障保険は、保障内容や保険期間を後から変更できる場合があります。
減額の可否と注意点
・減額は可能:
子どもの独立など、ライフステージの変化によって必要な保障額が減った場合、保険金額を減額することで、保険料を安くすることができます。
・注意点:
一度減額すると、元の保険金額に戻すことはできません。
延長の可否と注意点
・延長は不可:
収入保障保険は、原則として保険期間の延長はできません。一部、そのときの保険金額の範囲内で延長ができる商品もあるようですが、詳細は保険会社にお問い合わせください。
・新たな保険への加入:
もし保障を延長したい場合は、新たに保険に加入する必要があります。その際、加入時の年齢や健康状態に応じて保険料が再計算されるため、保険料が上がることが多いです。
まとめ:収入保障保険は「必要な期間」の安心を安価に確保する
収入保障保険は、万が一の事態に備え、遺された家族の生活費を年金形式で確保するための、非常に合理的な保険です。
・保険料が割安であるメリットを活かし、必要な期間だけ手厚い保障を確保しましょう。
・遺族年金や死亡退職金を考慮して、過不足なく保障額を設定しましょう。
・ライフステージの変化に合わせて、保険の見直しを検討しましょう。
この記事を参考に、あなたの家族に合った最適な収入保障保険を選び、安心して日々の生活を送りましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。