自動車保険
単身赴任者の自動車保険手続き|住所・使用目的の変更で保険料を安くするポイント

単身赴任によって居住地や車の利用環境が変わると、自動車保険の契約内容も見直しが必要になります。住所や使用目的を正しく変更していないと、事故時に保険金が支払われないリスクがあり、結果として大きな損失を招く可能性があります。本記事では、単身赴任者が確認すべき手続きと、保険料を安くするためのポイントを解説します。
単身赴任時の自動車保険手続きが必要な理由

単身赴任で生活環境が変わると、自動車保険において告知義務が発生します。金融庁の相談窓口ページによれば、「事実と相違した内容を告知すると告知義務違反となり、事故時に保険金が支払われないことがあります」。また、平成22年(2010年)4月1日以降の契約では、保険会社が求めた事項について事実を告知すれば足りるとされています。
(金融庁 保険に関する相談窓口)
単身赴任時に検討すべき3つの手続き

単身赴任時に見直すべき自動車保険の主な手続きは次の3点です。
・手続き1:住所・使用目的の変更
赴任先の住所や、通勤・レジャーなどの使用目的、年間走行距離の区分を保険会社に届け出ます。これによりリスク評価が変わり、保険料に反映されます。
・手続き2:運転者の範囲・年齢条件の見直し
赴任中に車を使用するのが契約者本人だけになる場合、運転者の範囲を本人限定にすることで、保険料を安くできる可能性があります。年齢条件も合わせて見直すと効果的です。
・手続き3:家族間の等級引継ぎ
単身赴任により家族と車を入れ替える場合、保有する等級を家族に引き継げる仕組みがあります。これにより、無事故で積み上げた割引を有効に活用できます。
住所・使用目的の変更で保険料が変わるケース

単身赴任に伴い、住所や使用目的を変更すると、次のように保険料が変動することがあります。
・保険料が上がるケース:赴任先の地域が事故リスクの高いエリアとされている場合、保険料が上昇することがあります。地域による交通事故発生率の差は、警察庁が公表している統計(2024年度「交通事故発生状況」)にも表れています。
(e-Stat 交通事故発生状況(2024年))
・保険料が安くなるケース:運転者を本人限定に絞る、年間走行距離を短く設定する、といった条件で保険料が下がる可能性があります。
まとめ|手続きを怠るリスクと確認すべきポイント
単身赴任が決まったら、速やかに自動車保険の契約内容を見直しましょう。住所や使用目的の変更を怠ると、事故時に補償を受けられないリスクがあります。特に、運転者条件や等級の引継ぎは保険料に直結する重要な要素です。安心して新生活を送るためにも、赴任前後で忘れずに手続きを行うことが大切です。
あわせて、疑問点があれば早めに加入している保険会社に連絡し、必要な変更内容を確認することをおすすめします。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。