医療保険
医療保険の告知漏れは発覚する?告知義務違反のリスクと正しい対処法

医療保険の契約時には、過去の病歴や現在の健康状態などを正確に伝える「告知義務」があります。この告知に不備があった場合、故意か過失かにかかわらず「告知義務違反」となり、いざという時に重大なリスクを招く可能性があります。
この記事では、告知漏れが発覚する仕組み、そして告知義務違反が招く具体的なリスクを解説します。また、告知漏れをしてしまった場合の正しい対処法まで。安心して保険契約を維持するためのヒントを提案します。
告知漏れはなぜ発覚する?

告知漏れや虚偽の告知は、いざ保険金を請求する際に、保険会社の調査によって発覚することがほとんどです。
保険会社が行う調査
診断書の確認:
医療保険の給付金を請求する際、医師の診断書を提出します。保険会社は、この診断書の内容と、契約時の告知書の内容を照合します。
病院への照会:
診断書の内容に不審な点がある場合、保険会社は病院に直接照会し、過去の病歴や治療歴を確認することがあります。
他の保険会社への確認:
複数の保険会社に加入している場合、他の保険会社への保険金請求履歴を調査することもあります。
告知義務違反が招くリスクと、時効のルール

告知義務違反が発覚した場合、以下のような重大なリスクを負う可能性があります。
契約の解除
保険会社による契約解除:
・告知義務違反が判明した場合、保険会社は契約を解除することができます。
・告知義務違反による契約解除は、通常は約款により責任開始日から2年以内と定められています。ただし、保険法では契約締結から5年を経過したときは解除できないと規定されています。
例外ケース:
・2年以内の支払事由による解除: 責任開始日から2年を経過していても、保険金や給付金の支払事由が責任開始日から2年以内に発生していた場合は、契約解除される可能性があります。保険金を請求したかどうかは関係なく、支払事由の発生時期が重要です。
・因果関係がない場合: 告知義務違反の内容と、保険金請求の原因との間に因果関係がない場合は、保険金が支払われる可能性があります。
保険金・給付金の不払い
給付金の不払い:
告知義務違反が判明した場合、保険金や給付金が支払われない可能性があります。
告知漏れに気づいた場合の正しい対処法

「うっかり告知漏れしてしまった」と気づいた場合、そのまま放置せず、速やかに保険会社に連絡することが重要です。
速やかに連絡する:
告知漏れに気づいたら、すぐに保険会社の担当者やコールセンターに連絡しましょう。
正しい情報を申告する:
正しい情報を申告することで、保険会社が契約内容を見直し、適切な保障内容や保険料を再設定してくれます。
契約が継続できる可能性:
告知漏れが故意ではなく、軽微なものであれば、保険契約がそのまま継続できる可能性もあります。
まとめ:正直な告知が、いざという時の安心につながる
医療保険の告知漏れは、いざという時に保険金が支払われないといった、重大なリスクを招く可能性があります。
・保険会社の調査によって、告知漏れは発覚することがほとんどです。
・告知義務違反は、契約の解除や保険金不払いといったリスクを招きます。
・告知漏れに気づいた場合は、そのまま放置せず、速やかに保険会社に連絡し、正直に伝えましょう。
この記事を参考に、医療保険の告知義務を正しく理解し、安心して保険を活用しましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。