医療保険
医療保険の乗り換えを検討するメリット・デメリット

「でも、途中で乗り換えると損するんじゃないの?」
医療保険は、一度加入したらそのまま何十年も継続する方が多いでしょう。しかし、医療技術の進歩や、ご自身のライフステージの変化、あるいは保険料の負担が重くなった時など、「他の保険に乗り換えたい」と考えることもあるかもしれません。
この記事では、医療保険の乗り換えを検討するメリット・デメリットを解説します。そして、乗り換えるべき最適なタイミング、手続きの流れ、そして失敗しないための注意点まで。あなたの医療保険を最適な状態に保つためのヒントを提案します。
医療保険の乗り換えを検討するメリット・デメリット

医療保険の乗り換えには、メリットとデメリットの両方があります。
乗り換えのメリット
保険料の削減:
時代の変化とともに、より安価で保障内容が充実した保険商品が登場しています。乗り換えることで、保険料を安くできる可能性があります。
保障内容のアップグレード:
古い保険は、先進医療特約など、最新の医療技術に対応していない場合があります。新しい保険に乗り換えることで、保障内容をアップグレードできます。
ライフプランに合った保障:
結婚、出産、子どもの独立など、ライフステージの変化に合わせて、必要な保障額や特約を見直すことができます。
乗り換えのデメリット
健康状態による加入リスク:
新しい保険に加入する場合、現在の健康状態の告知が必要です。もし持病があったり、健康状態が悪化していたりする場合、新しい保険に加入できなかったり、保険料が割増になったりする可能性があります。
保障の空白期間:
今の保険を解約してから、新しい保険の契約が成立するまでの間に、保障の空白期間が生じてしまうリスクがあります。
解約返戻金の損失:
解約返戻金がある貯蓄型の保険の場合、解約返戻金が払込保険料を下回り、元本割れで損をするリスクがあります。
医療保険の乗り換えに最適なタイミング

医療保険の乗り換えは、以下のタイミングで検討しましょう。
1.ライフステージが変化した時:
結婚、出産、子どもの独立、定年退職など、人生の大きな節目を迎えた時。
2.保険料の負担を感じ始めた時:
収入の変化や子どもの成長に伴う出費増加などで、現在の保険料が家計の負担になっていると感じたら。
3.定期型の医療保険の更新前:
定期型の医療保険は、更新時に保険料が上がります。更新前に他の保険商品と比較検討する良い機会です。
失敗しないための手続きと注意点

医療保険の乗り換えは、失敗しないための手続きと注意点があります。
乗り換えの手順
1.現在の契約内容を確認する:
まずは、保険証券を手元に用意し、現在の保障内容、保険期間、保険料、特約などを把握しましょう。
2.新しい保険の検討:
複数の保険会社のウェブサイトで、保険料の見積もりや比較を行いましょう。健康状態に不安がある場合は、「引受基準緩和型医療保険」や「無選択型医療保険」も選択肢の一つとして検討しましょう。
3.新しい保険の申し込みと告知:
新しい保険に申し込み、健康状態を正確に告知します。
4.現在の保険を解約:
新しい保険の契約が成立し、保障が開始されたことを確認してから、現在の保険を解約しましょう。仮に健康状態などの理由で新しい保険に加入できなかった場合、先に現在の保険も解約していると保障が無くなってしまいます。保険を見直す場合は、現在の保険の解約は、必ず新しい保険の契約が成立してから行うように注意してください。これは医療保険に限ったことではありません。
乗り換えの際の注意点
解約返戻金の確認:
貯蓄性のある保険の場合、解約返戻金がいくら戻ってくるのか、事前に確認しましょう。
告知義務の遵守:
新しい保険に加入する際は、健康状態を正確に告知しましょう。告知義務違反が発覚した場合、契約解除や保険金不払いといったリスクがあります。また、悪質な場合は2年経過後でも詐欺による取り消しが可能であり、保険料の返還がない可能性もあります。
無保険期間の回避:
新しい保険の契約が成立し、保障が開始されたことを確認してから、現在の保険を解約することで、無保険期間を防ぐことができます。
新しい保険の免責期間:
新しい保険には、保障開始までに免責期間が設定されている場合があるため(がん保険など)、注意が必要です。
先進医療の変動性:
先進医療は現在76種類あり、内容は時とともに変化します。最新の保険商品では、先進医療に加えて患者申出療養も保障対象となっているものがあるため、保障内容をよく確認しましょう。
公益財団法人 生命保険文化センター 先進医療とは? どれくらい費用がかかる?
まとめ:医療保険の乗り換えは「慎重な計画」が大切
医療保険の乗り換えは、保険料の削減や保障内容のアップグレードといったメリットがある一方、健康状態による加入リスクや、保障の空白期間といったデメリットもあります。
・乗り換えのタイミングを見極め、現在の契約内容と、将来必要な保障を比較しましょう。
・新しい保険の契約が成立してから、現在の保険を解約することで、無保険期間を防ぐことができます。
・乗り換えを検討する際は、保険会社の担当者やFPに相談し、客観的な視点からアドバイスをもらいましょう。
この記事を参考に、あなたに最適な医療保険を見つけ、後悔しないための賢い保険選びをしてください。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。