医療保険
初めての医療保険選び!知っておきたい3つのポイント

60歳以上になると、病気やケガのリスクが高まり、医療費の自己負担額が増える可能性があります。公的医療保険だけでは賄えない費用も多いため、老後の医療費への備えとして、民間医療保険を検討する方も多いでしょう。しかし、高齢になってから加入する場合、若いうちに加入するのとは異なる注意点があります。
この記事では、60歳以上からでも医療保険に加入できるのか、その条件を解説します。そして、高齢者向けの医療保険の選び方、特に持病があっても入れる保険や保険料の支払い方法に焦点を当てて、後悔しないためのヒントを提案します。
高齢者の医療保険:健康状態と加入条件

60歳以上になってから医療保険に加入する場合、若年層に比べて保険料が高くなる傾向にあります。また、健康状態によっては、加入が難しくなるケースもあります。
健康状態による加入条件
健康状態が良い場合:
健康状態が良好であれば、告知項目が少ない「引受基準緩和型」や、告知が不要な「無選択型」ではない、一般的な医療保険に加入できます。
持病がある場合:
過去に大きな病気を経験したり、現在持病があったりする場合は、一般的な医療保険への加入が難しくなります。その場合、告知項目を減らした「引受基準緩和型」や、告知が不要な「無選択型」の医療保険を検討しましょう。
引受基準緩和型・無選択型保険の特徴
1.引受基準緩和型医療保険:
・特徴: 告知項目が少なく、簡単な告知項目(例:「過去2年以内に入院・手術歴がないか」など)に該当しなければ加入できます。
・注意点: 一般的な医療保険に比べて、保険料が割高になります。
2.無選択型医療保険:
・特徴: 告知や医師の診査が不要で、健康状態に関わらず加入できる保険です。
・注意点: 引受基準緩和型医療保険よりも保険料がさらに割高になります。
選び方のポイント:短期入院、保険料の支払い方法など

高齢者向けの医療保険を選ぶ際は、保障内容や保険料の支払い方法を慎重に検討することが重要です。
短期入院への備えと「入院一時金」の重要性
入院日数の短期化:
近年、医療技術の進歩により、入院日数は短期化しています。
選び方のポイント:
・高齢者の入院は、短期入院でも費用が高額になりがちです。生命保険文化センターの調査によると、入院1日あたりの自己負担費用の平均はおよそ20,700円です。
・短期入院でもまとまった一時金を受け取れる「入院一時金」の保障がある保険を検討しましょう。
生命保険文化センター 入院費用(自己負担額)はどれくらい?
保険料の支払方法(終身払いと短期払い)
終身払い:
・仕組み: 一生涯保険料を払い続けるタイプです。
・メリット: 毎月の保険料は安くなります。
・デメリット: 年金生活に入った後も保険料の支払いが発生します。
短期払い:
・仕組み: 60歳や65歳など、一定期間で保険料の支払いを完了するタイプです。
・メリット: 老後の保険料負担がなくなります。
・デメリット: 月々の保険料は割高になります。
定年後の家計状況を考慮し、どちらの支払い方法が自分に合っているか検討しましょう。
注意点:保険料の高さ、保障内容の確認

高齢者向けの医療保険は、保険料が高くなる傾向にあります。
公的医療保険の自己負担割合
・70歳未満: 医療費の自己負担割合は3割です。
・70歳以上: 自己負担割合は、所得に応じて1割または2割です。
・75歳以上: 2022年10月から、一定以上の所得がある方の窓口負担割合が2割に変更されています。
保険料の高さ
若いうちの加入:
若いうちに加入すれば、保険料が安価で、一生涯保障が続く終身型を選べます。
保障内容の見直し:
保険料を抑えたい場合は、入院給付金日額を少額にしたり、不要な特約を外したりして、保障内容を見直しましょう。
保障内容の確認
保障の開始時期:
持病がある方向けの保険は、保障の開始までに待機期間がある場合があります。
保障の範囲:
医療保険の保障内容(入院給付金、手術給付金など)が、ご自身の健康状態や病気リスクに合っているか確認しましょう。
まとめ:公的医療保険を最大限に活用し、不足分を補う
高齢者向けの医療保険を選ぶ際は、公的医療保険を最大限に活用し、不足する部分を民間保険で補うという考え方が重要です。
・引受基準緩和型や無選択型保険も選択肢の一つですが、保険料の高さや、保障内容の限定に注意しましょう。
・入院一時金や、終身払・短期払といった支払い方法を比較し、ご自身のライフプランに合わせた最適な保険を選びましょう。
この記事を参考に、あなたに最適な医療保険を選び、安心して日々の生活を送りましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。