個人年金保険
個人年金保険の選び方ガイド:返戻率、保険料、年金の種類で比較

しかし、いざ調べ始めると、返戻率・年金の種類・保険料の払い方など比較ポイントが多く、「何を基準に選べばいいのかわからない」という声をよく聞きます。特に、数字や条件だけで判断すると、将来の生活設計に合わない保険を選んでしまうリスクもあります。
この記事では、独立系FPの視点から、返戻率・保険料・年金の種類を軸に、あなたのライフプランに合った個人年金保険を選ぶための実践的なポイントを解説します。
個人年金保険で返戻率と年金種類のどちらを重視すべきか
返戻率とは、支払った保険料の総額に対して、将来受け取れる年金額の割合を示す数値です。例えば、総支払額が300万円で、受け取れる総額が309万円の場合、返戻率は103%となります。
【返戻率を重視すべきケース】
・老後資金の増やし方に重点を置いている場合
・将来のインフレや物価上昇リスクに備えたい場合
・運用効率を高めたい場合
【年金の種類を重視すべきケース】
・確定年金:決まった期間、年金が受け取れる(例:10年確定年金)
・終身年金:生存している限り、年金が受け取れる
・保証期間付終身年金:一定期間は必ず受け取れ、その後は生存している限り支給
長生きリスクに備えるなら終身年金が有効ですが、その分返戻率は低くなりがちです。選び方の軸は、「老後資金を効率的に増やすのか」、「長寿による資金不足に備えるのか」です。
個人年金保険の保険料払い込み方法と年金受け取り方の仕組み
個人年金保険の保険料は、払い込み方法によって総支払額や返戻率が変わります。
主な払い込み方法:
・毎月払い(口座振替やクレジットカード払い)
・年払い(まとめて払うことで割引や返戻率向上がある場合も)
・一時払い(契約時に全額払う。返戻率は高くなる傾向。ただし個人年金保険料控除の対象外)
年金の受け取り方法:
・年金方式(毎年一定額を受け取る)
・一括受け取り(契約満了時にまとめて受け取る)
受け取り開始年齢も重要なポイントです。60歳開始と65歳開始では、返戻率や総受取額が変わりますが、その差は一般的に2〜4%程度です。
個人年金保険の賢い選び方3ステップ
1.目的を明確化
老後生活費補填か、旅行や趣味資金か、目的を明確にします。
2.返戻率を条件別に比較
同じ保険料・受け取り年齢・年金期間でシミュレーションし数値比較します。
3.税制優遇の有無を確認
個人年金保険料控除を活用すると実質返戻率が上がります。一時払いは控除の対象外である点に注意しましょう。
個人年金保険の返戻率シミュレーション例(現実的水準)
※下記は現行市場水準を参考にした一般的な例です。実際の返戻率は契約条件や金利情勢により異なります。
前提条件:
・契約者:40歳
・払い込み期間:20年(60歳まで)
・年金受け取り期間:10年確定年金
・年金開始年齢:60歳または65歳
・年払い
① 年払い20万円(総払い込み400万円)
・60歳開始:総受取額 412万円 → 返戻率 103%
・65歳開始:総受取額 420万円 → 返戻率 105%
② 年払い30万円(総払い込み600万円)
・60歳開始:総受取額 618万円 → 返戻率 103%
・65歳開始:総受取額 630万円 → 返戻率 105%
③ 一時払い600万円(※個人年金保険料控除の対象外)
・60歳開始:総受取額 660万円 → 返戻率 110%
・65歳開始:総受取額 672万円 → 返戻率 112%
個人年金保険で返戻率を上げる条件ランキング
1位:年金受け取り開始年齢を遅らせる(2〜4%アップ)
2位:一時払いを選ぶ(ただし税制優遇なし)
3位:年払いを選ぶ(月払いより有利)
4位:払い込み期間を短くする(運用期間を長くできる)
5位:契約年齢を若くする(長期運用が可能)
個人年金保険選びのフローチャート
1.老後資金は何歳から必要?
→ 60歳前後から必要 → 60歳開始型
→ 65歳以降でもOK → 高返戻率型
2.受け取り期間は?
→ 長生きリスクに備えたい → 終身年金型
→ 決まった期間でOK → 確定年金型
3.一括資金はある?
→ ある → 一時払い(税制優遇なし)
→ ない → 年払いや月払い
4.税負担も軽くしたい?
→ はい → 個人年金保険料控除対象商品
まとめ:返戻率と老後資金計画のバランスが重要
個人年金保険は、返戻率・保険料・年金種類のバランスを取ることが大切です。高返戻率を狙っても、受け取り開始が遅く必要な時期に間に合わないと意味がありません。
独立系FPとして強調したいのは、「数字」よりも「ライフプランに合った設計」です。個人年金保険はつみたてNISAやiDeCoと組み合わせることで、より安定した老後資金形成が可能になります。
注意事項
返戻率や受け取り金額は金利・契約時期・保険会社の条件により異なります。実際の契約前には必ず各保険会社や専門家にご確認ください。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。