自動車保険
中古車の車両保険は必要?年式・価格・ローン状況で変わる最適な選び方

「中古車に車両保険をつけるべきか迷っている…」という方は多いのではないでしょうか。中古車はすでに時価が下がっているため、補償額と保険料のバランスをどう判断するかが難しいポイントです。特に年式や購入価格によって最適な選び方は大きく変わります。
この記事では、中古車の車両保険について年式別・価格別の選び方を解説し、さらにローン残債リスクやシミュレーション活用法にも触れます。読めば、自分の中古車に本当に車両保険が必要かを合理的に判断できるでしょう。
中古車に車両保険は必要?加入判断の基本的な考え方

車両保険は事故や自然災害による修理・買い替え費用をカバーする制度です。しかし中古車の場合、補償金額の上限は時価であり、すでに下落しているため「保険料が割高になるケース」があります。
一般財団法人自動車検査登録情報協会(AIRIA)の統計によると、令和5年(2023年)3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数は13.42年、令和6年(2024年)3月末は13.32年と報告されています。AIRIA:自動車の平均使用年数(PDF)
つまり10年以上乗られている中古車も多く出回っており、それらに高額な車両保険をかける合理性は低いと言えます。加入判断の目安は以下のとおりです。
・購入から5年以内: 修理費が高額化しやすいため、一般型の車両保険を検討
・6〜9年程度: 補償額と保険料のバランスを見極め、限定型(エコノミー型)を選択
・10年以上: 時価が低いため車両保険を外し、対人・対物・人身傷害の充実を優先
・ローン返済中: 全損時に残債リスクがあるため、加入を検討
中古車の年式別|車両保険の最適な選び方

同じ中古車でも年式によって価値やリスクは大きく異なります。ここでは年式ごとにおすすめの選び方を紹介します。
高年式中古車(1〜5年程度)
市場価値が高く修理費用も大きいため、一般型の車両保険をつけるのが安心です。自然災害や盗難にも対応でき、幅広いリスクをカバーします。
特にSUVや輸入車は修理費が高額化しやすく、車両保険の必要性が高いといえます。
中年式中古車(6〜9年程度)
修理費用が時価額を超える可能性があるため、すべてを補償する一般型よりも限定型(エコノミー型)が現実的です。例えば、「車対車事故のみ補償」や「盗難・火災など限定補償」を選べば保険料を抑えつつ最低限の安心を確保できます。
低年式中古車(10年以上)
全損時に受け取れる保険金が数万円程度になることもあり、逆に保険料の負担が大きくなるケースがあります。この場合は車両保険を外し、人に関わる補償を充実させた方が合理的です。
中古車の価格帯別にみる車両保険の選び方

価格帯によっても加入判断は変わります。特に修理費用と車両価格の逆転が起こりやすい点に注意が必要です。
・50万円以下: 修理費が価値を超えるため、車両保険は不要なことが多い
・50〜150万円: バランスを考え、限定型を検討
・150万円以上: 損失が大きいため、一般型を推奨
ローン返済中の中古車に車両保険は必要か?
ローンで購入した場合、事故で全損になると残債だけが残る可能性があります。特に古い車ほど時価評価額が低いためリスクが高まります。
ローン残債が多いうちは車両保険をつけておくと安心です。残債が減った段階で外すという柔軟な対応も有効です。
中古車の車両保険で注意すべき落とし穴

中古車に車両保険をつける際には次のような点に注意しましょう。
・補償額(時価)が低い: 思ったほど保険金が出ない
・保険料が割高: 新車に比べて費用対効果が低いケースがある
・免責金額が高い: 自己負担が増え、実際に保険を使いにくい
中古車に合った車両保険を選ぶためのシミュレーション活用法

中古車では保険料と補償額のバランス確認が重要です。保険会社のシミュレーションを利用すれば、車両価格や年式ごとの具体的な保険料を把握できます。
複数社の見積もりを比較し、「一般型」と「限定型」をシナリオごとに検討するのが合理的です。
まとめ|中古車の年式・価格に応じた車両保険の合理的な選び方
中古車の車両保険は年式・価格・ローン状況によって最適解が異なります。高年式・高額車両は一般型、中年式は限定型、低年式は外す判断が合理的です。ローン残債がある場合はリスク対策として加入を検討すると安心です。
大切なのは、「保険料に見合った補償が得られるか」を冷静に確認することです。シミュレーションを活用しながら、自分のカーライフに合った最適な選択を行いましょう。
参考情報
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。