自動車保険
中古車に車両保険は必要?年式・価格別の選び方と安くするコツ

中古車に車両保険が必要かどうかは、車の年式や時価額、そして家計の耐性(自己資金や貯蓄)で判断します。中古車は新車より価値が下がっているため、支払う保険料と受け取れる補償額の釣り合いを冷静に見極めることが重要です。本記事では、年式・価格帯・ローン有無の3視点から最適な選び方と、保険料を抑える実践策を解説します。
中古車に車両保険は本当に必要?基本的な考え方

この章では、中古車における車両保険加入の考え方を整理します。
・支払限度額は通常「事故時点の時価額」が上限。高い保険料でも上限を超えては受け取れません。
(参考:金融庁「保険契約にあたっての手引」案内ページ)
・家計の耐性が低い場合(突然の出費に弱い、通勤で代替不可など)は加入メリットが高まります。
・使用環境(夜間屋外保管、多発地域での台風・洪水・盗難リスク、初心者ドライバー)も判断材料です。
・「小さな修理は自己負担、大きな損失だけ保険で備える」という線引きを意識しましょう。
【年式別】中古車の車両保険の選び方とおすすめタイプ

この章では、年式ごとに合理的な補償タイプとポイントを示します。
高年式(1〜5年程度)
・修理費用が高額化しやすく、売却価値もまだ残るため、補償範囲の広い一般型が第一候補。
・免責は「1回目の事故で5万円、2回目以降は10万円を自己負担とする免責方式」など段階設定を活用すると、保険料とのバランスを取りやすい。
・水災・盗難・当て逃げ等の付帯範囲を確認して、穴のない設計に。
中年式(6〜9年程度)
・修理費が時価額を上回りやすく、費用対効果から限定型(エコノミー型)が合理的。
・契約内容によって補償対象・対象外の事故が異なるため、契約前の確認が重要です。
低年式(10年以上)
・事故時の時価額が非常に低いため、保険料に見合いづらいケースが増えます。
・車両保険を外し、対人・対物賠償(無制限)や人身傷害、弁護士特約など「人的・相手の損害」を重点的に補償する戦略がおすすめです。
【価格帯別】中古車の車両保険選びのポイント

・150万円以上:突発的な大損失に備えるなら一般型が有力。免責設定で保険料調整可能。
・50万〜150万円:費用対効果を重視して限定型を検討。補償対象事故をきちんと理解して選ぶ。
・50万円以下:修理費が時価額を上回る可能性が高く、車両保険の必要性は低め。自己資金や買い替え計画を踏まえた判断を。
ローン返済中の車に車両保険は必要?残債リスクを解説

・事故で全損になると、車は失ってもローン残債だけが残る可能性があります。
・中古車は時価額が低いため、保険金では残債をカバーできない場合もあります。
・ローン返済中は車両保険に加入し、万が一の損失に備えることで、家計への影響を最小限に抑えることができます。
中古車の保険料を安くする3つのコツと注意点

・コツ1:限定型を選ぶことで保険料を抑えられます。ただし補償対象となる事故は限定されます。
・コツ2:免責金額を高めに設定(例:1回目は5万円、2回目以降は10万円自己負担)すると料率が下がります。
・コツ3:更新時に時価額の低下に応じて補償内容を見直し、不要な保険料を削減しましょう。
・加えて、運転者限定・用途・年間走行距離・安全装置割引などの条件見直しも有効です。
まとめ|中古車の年式・価格・リスクに応じた選び方を
中古車の車両保険は、年式・価格(=時価額)・ローン残債の有無をふまえ、保険料と補償額のバランスで判断すべきです。すべてを網羅せず、“必要最小限で致命的なリスクに備える”設計が賢明です。加入する際は、一般型/限定型の選択と免責設定を活用し、“最小限で最大の安心”を目指しましょう。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。