投資リスクなどへの対策
パスワードの安全な作成と管理術:使い回しはNG!

なぜパスワードの使い回しは危険なのか?

パスワードを複数のサービスで使い回すことは、非常に危険な行為です。その理由は以下の通りです。
1.「芋づる式」の被害
・もし、あなたが登録しているとあるサービスAから、何らかの原因(不正アクセス、データ流出など)でパスワードが漏洩してしまったとします。
・もしそのパスワードを他のサービスB、C、D…でも使い回していたら、攻撃者はサービスAで入手したパスワードを使って、あなたのサービスB、C、D…にも簡単にログインできてしまいます。
・これにより、メール、SNS、ネットバンキング、ECサイトなど、あらゆるサービスが不正利用される「芋づる式」の被害に発展する可能性があります。
2.ブルートフォース攻撃への脆弱性:
・使い回しをしていると、辞書攻撃や総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)といった手法でパスワードを解読されるリスクが高まります。
3.情報漏洩の通知を見逃すリスク:
・多くのサービスに登録していると、特定のサービスから情報漏洩があった際に、その通知を見逃してしまうことがあります。パスワードを使い回していなければ、一つの漏洩が他のサービスに波及するリスクは低減されます。
安全なパスワードの作成術

安全なパスワードを作成するためのポイントは以下の通りです。
1.サービスごとに異なるパスワードを設定する:
これが最も重要です。たとえ一部のサービスから漏洩しても、他のサービスへの影響を最小限に抑えられます。
2.長く、複雑なパスワードにする:
・文字数: 最低10文字以上、できれば12~16文字以上を推奨します。
・種類の組み合わせ: 大文字、小文字、数字、記号(!@#$%^&*など)をすべて混ぜて使いましょう。
・推測されにくい文字列:
【避けるべき文字列の例】
<例1>誕生日、電話番号、名前、ユーザー名など、個人情報から推測されやすいものは避けましょう。
<例1>辞書に載っている単語の羅列や、よくあるパスワード("password", "123456"など)も避けましょう。
<例1>キーボードの並び順("qwerty"など)も危険です。
3.パスフレーズを活用する:
複数の単語を組み合わせた文章のようなパスワードです。「私は今日、札幌駅で白い恋人を買いました!2025」のように、覚えやすく、かつ複雑なパスワードを作成できます。間に数字や記号を挟むと、さらに強固になります。
効果的なパスワードの管理術

安全なパスワードをたくさん作成しても、それを安全に管理できなければ意味がありません。
1.パスワード管理ツールの活用:
・「Bitwarden」「1Password」「LastPass」などのパスワードマネージャーは、安全なパスワードを生成し、暗号化された状態で保存してくれます。マスターパスワード一つで全てのパスワードにアクセスでき、自動入力機能も備わっています。
・無料で利用できるものも多く、セキュリティと利便性を両立できるため、最も推奨される管理方法です。
2.二段階認証(多要素認証)の設定:
パスワードだけでなく、スマートフォンアプリで生成されるワンタイムパスワードや、SMSで届く認証コードなどを組み合わせることで、万が一パスワードが漏洩しても不正ログインを防ぐことができます。対応しているサービスでは必ず設定しましょう。
3.手書きメモは避ける(やむを得ない場合):
どうしてもデジタルで管理したくない場合は、誰にも見られない場所で厳重に保管してください。ただし、紛失や盗難のリスクは常に伴います。
4.定期的なパスワードの変更(必須ではないが推奨):
・情報漏洩のニュースがあったサービスや、疑わしいと感じるサービスについては、速やかにパスワードを変更しましょう。
・以前は定期的なパスワード変更が推奨されていましたが、最近では「複雑でユニークなパスワードを設定し、二段階認証を組み合わせ、漏洩が疑われる場合にのみ変更する」という考え方が主流になっています。
困ったときの連絡先

・利用しているサービス(Webサイト、アプリなど)のサポート窓口: パスワードの不正利用が疑われる場合や、ログインできなくなった場合は、すぐに各サービスのサポート窓口に連絡しましょう。
・警察相談専用電話「#9110」: パスワードの漏洩による不正送金や個人情報の悪用など、犯罪被害に遭った場合は警察に相談しましょう。
まとめ
インターネットのパスワードは個人情報や財産を守る「鍵」ですが、使い回しや単純な設定は危険です。複数のサービスでパスワードを使い回すと、一か所の漏洩から他のサービスへ被害が拡大する「芋づる式」のリスクがあります。
安全なパスワードは、サービスごとに異なる10文字以上の複雑な文字列(大文字、小文字、数字、記号を組み合わせ、推測されにくいもの)や、覚えやすい「パスフレーズ」を活用して作成しましょう。
管理には「Bitwarden」のようなパスワード管理ツールが最も推奨され、二段階認証の設定も重要です。万が一の際は、速やかに各サービスのサポートや警察に相談しましょう。