自動車保険
ネット自動車保険と代理店型、どちらを選ぶべき?失敗しない保険の選び方

実際、日本では任意自動車保険の中でも「対人賠償責任保険」の加入率が全国平均で約75%前後に達しています(損害保険料率算出機構『自動車保険の概況 2024年度版』)。多くのドライバーが加入しているからこそ、「どの契約経路を選ぶか」が家計にも安心にも大きな影響を与えます。
この記事では、ネット自動車保険と代理店型自動車保険の特徴を整理し、メリット・デメリットを比較した上で、FPの立場からどんな人にどちらが向いているのかを解説します。
ネット自動車保険(ダイレクト型)とは?

ネット自動車保険とは、インターネットを通じて保険会社に直接申し込むタイプです。保険ショップや営業担当者を介さず、公式サイトで見積もりや契約が完結します。
ネット自動車保険のメリット
・代理店手数料がないため保険料が割安になりやすい
・24時間いつでも見積もり・申し込みが可能
・補償内容や保険料を自分でシミュレーションできる
・シンプルな補償設計が多く、比較しやすい
ネット自動車保険のデメリット
・担当者に相談できないため、自分で調べて判断する必要がある
・補償の選択肢が限られる場合がある
・事故対応や手続きも自分で主体的に進める必要がある
代理店型自動車保険とは?

代理店型自動車保険は、保険ショップや専任担当者を通じて契約するタイプです。複数の保険会社を扱う乗合代理店や、特定の会社だけを扱う専属代理店があります。
代理店型自動車保険のメリット
・専門家に相談しながら補償内容を選べる
・複数社の商品を比較できる(乗合代理店の場合)
・事故時のサポートや請求手続きを任せやすい
・補償のカスタマイズが柔軟
代理店型自動車保険のデメリット
・人件費や運営コストが上乗せされるため、保険料が高めになりやすい
・担当者によって提案内容の質が左右される
・店舗や担当者とのやり取りが必要になる場合がある
ネット型と代理店型の比較

両者の違いを整理すると、「コスト」と「サポート」のどちらを重視するかが判断の分かれ目です。
コスト重視ならネット型
自動車保険料をできるだけ抑えたい、あるいは最低限の補償で十分という方はネット型が有力候補です。実際、損害保険料率算出機構のデータでも、ネット契約型の契約件数は年々増加傾向にあります。
安心感やサポートを重視するなら代理店型
事故対応に不安がある、複雑な補償設計をしたい、車の使用状況が特殊(法人契約や業務用など)という方には代理店型が向いています。長期的に見れば「サポート込みの安心料」と考えることもできます。
FPが提案する自動車保険の選び方

独立系FPとしては、「まずはネット型で自分の基礎的な補償(対人・対物・人身傷害)を確保し、不安な部分を代理店型で相談して補う」というハイブリッド型の考え方をおすすめするケースが多いです。
例えば、若年ドライバーがまずネット型で基本補償を確保し、家族全体の保障や法人契約など複雑なケースは代理店に相談する、といった組み合わせです。事故対応力やアフターサービスを重視する方には代理店型が安心材料になります。
また、日本損害保険協会の統計によれば、自動車保険の支払件数は毎年数百万件規模で発生しています。事故対応は決して珍しいことではなく、いざという時のサポート体制を重視する価値は十分にあります。
まとめ
ネット型は「低コストで手軽」、代理店型は「サポート重視で安心」が最大の魅力です。どちらが優れているかではなく、自分のカーライフやリスク許容度に合った方を選ぶことが大切です。迷った場合には、両方を組み合わせて利用する方法も有効です。
自動車保険は家計の中でも大きな固定費のひとつ。賢く選択し、無理なく安心できる保障を手に入れましょう。
参考情報
この記事の背景データや補足統計は以下の公的・業界資料をもとにしています。
・日本損害保険協会「統計・刊行物・報告書」
・損害保険料率算出機構「自動車保険の概況(2024年度版)」
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。