カードローン
カードローン審査で見られる「属性」と「信用」とは|審査基準と信用情報機関の仕組みを解説

カードローンの審査では、申込者の「返済能力」が確認されています。この返済能力を判断するために金融機関が参照するのが、「属性」と「信用情報」という2つの要素になります。
属性とは年収や勤続年数などの個人情報を指し、信用情報とは過去のローンやクレジットカードの利用履歴を指します。金融機関はこれらの情報を総合的に評価して、貸付の可否や利用限度額を決定しています。本記事では、カードローン審査で見られる項目と、信用情報を管理する機関の役割について解説します。
カードローン審査における「属性」とは

カードローンの審査では、申込者の返済能力を判断するために「属性」と呼ばれる情報が確認されます。属性とは、申込時に記入する年齢、職業、年収、勤続年数、居住形態、家族構成などの個人情報を指します。
金融機関では、これらの属性を項目ごとに点数化する「属性スコアリング」という方法で審査を行っています。合計点数が高いほど返済能力が高いと判断され、審査に通りやすくなる傾向にあります。
審査で確認される主な属性項目
カードローン審査で確認される属性には、以下のような項目が挙げられます。
・年収(給与収入、事業収入など)
・勤務先(企業名、業種、規模)
・雇用形態(正社員、契約社員、パート・アルバイトなど)
・勤続年数
・居住形態(持ち家、賃貸、社宅など)
・居住年数
・家族構成(配偶者の有無、扶養家族の人数)
・年齢
これらの項目は、いずれも申込者が将来にわたって安定した返済を続けられるかを判断する材料となっています。
年収に関するスコアリングの考え方
年収は返済能力を測る基本的な指標です。貸金業者(消費者金融やクレジットカード会社など)からの借入では、貸金業法に基づく「総量規制」が適用され、借入残高が年収の3分の1を超える貸付は原則禁止されています。
金融庁の「貸金業法のキホン」によると、総量規制は平成22年6月18日から実施されており、貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合、新規の借入はできなくなります。
たとえば年収300万円の場合、貸金業者からの借入上限は100万円となります。ただし、銀行は貸金業者に該当しないため総量規制の対象外ですが、多くの銀行では独自の審査基準を設けて過剰貸付の防止に努めています。
審査においては、年収の金額だけでなく「安定性」も重視されます。毎月一定の収入が見込める正社員や公務員は、収入が変動しやすい自営業者よりも評価が高くなる傾向があります。
なお、総量規制の範囲内であっても、年間返済額が年収に対して高すぎる場合は審査に通らないことがあります。住宅ローンや自動車ローンなど他の借入がある場合、それらの返済額も含めた「返済負担率」が審査に影響するため、借入希望額を検討する際には既存の返済状況も考慮する必要があります。
勤続年数がスコアリングに与える影響
勤続年数は、審査において重視される項目の一つです。同じ勤務先に長く勤めていることは、収入の安定性を示す指標となります。
勤続年数が長いほど、転職や離職のリスクが低いと判断され、審査では有利に働く傾向があります。逆に勤続年数が1年未満の場合、収入が安定していないと見なされ、審査に通りにくくなることがあります。
ただし、勤続年数が短いからといって必ず審査に落ちるわけではありません。他の属性項目との組み合わせで総合的に判断されるため、年収や雇用形態などで補える場合もあります。
また、同業種へのキャリアアップ転職の場合や、専門性の高い職種への転職であれば、勤続年数が短くても収入の継続性が認められるケースもあります。転職理由や職歴の一貫性も、審査担当者が確認するポイントの一つです。
居住形態・居住年数の評価
居住形態も審査で確認される項目です。一般的に、持ち家(住宅ローン返済中または完済)は賃貸住宅よりも評価が高くなる傾向にあります。持ち家があることは資産を保有していることを意味し、返済の担保となりうるためです。
ただし、持ち家であれば無条件に有利というわけではありません。住宅ローンの返済負担が年収に対して高すぎる場合、新たなカードローンの返済余力がないと判断されることがあります。住宅ローンの返済比率が25%を超えるような場合は、追加の借入が難しくなるケースも見られます。
居住年数についても、長いほど生活基盤が安定していると判断されます。頻繁に転居を繰り返している場合、連絡が取りにくくなるリスクがあると見なされることがあります。
雇用形態による評価の違い
雇用形態は、収入の安定性を判断する重要な要素です。一般的な評価の傾向として、以下のような順序になるとされています。
・公務員、医師、弁護士など専門職:収入が安定しており、高評価
・大企業の正社員:雇用が安定しているため評価が高い
・中小企業の正社員:安定した収入があれば評価される
・契約社員・派遣社員:正社員より評価は下がる傾向
・パート・アルバイト:収入が不安定と見なされやすい
・自営業・フリーランス:収入の変動が大きいため審査が厳しくなる場合がある
ただし、パートやアルバイトであっても安定した収入があれば審査に通る可能性はあります。金融機関ごとに審査基準は異なるため、一律に判断することはできません。
自営業やフリーランスの場合、確定申告書や決算書で過去2〜3年分の安定した所得を証明できれば、審査で不利にならないこともあります。事業の継続年数が長く、所得の変動が少ないほど評価は高まります。逆に、節税対策として所得を低く申告している場合は、その申告額がそのまま審査に使われる点に注意が必要です。
審査で参照される「信用情報」とは

属性と並んで審査で重視されるのが「信用情報」です。信用情報とは、ローンやクレジットカードなどの契約内容、返済状況、延滞の有無などが記録された情報を指します。
金融機関は、申込者の同意を得たうえで「信用情報機関」にこれらの情報を照会し、過去の取引履歴を確認しています。
信用情報に記録される内容
信用情報機関には、以下のような情報が登録されています。
・本人を特定するための情報(氏名、生年月日、住所、電話番号、勤務先など)
・契約内容に関する情報(契約日、契約の種類、契約額、貸付金額など)
・返済状況に関する情報(入金日、入金額、残高など)
・延滞に関する情報(延滞の有無、延滞発生日、延滞解消日など)
・申込みに関する情報(申込日、申込商品、照会日など)
過去に延滞や債務整理(任意整理、自己破産、個人再生など)を行った履歴がある場合、その情報は一定期間登録され続けます。この期間中は、新規のローン契約やクレジットカード発行が難しくなる場合があります。
ただし、過去に延滞があっても、その後継続して遅れなく返済を続けていれば、信用は徐々に回復していきます。金融機関によっては、過去の延滞よりも「現在の返済状況」や「直近数年間の支払い実績」を重視するところもあります。延滞解消後に新たなクレジット取引で良好な実績を積み重ねることが、信用回復への近道となります。
3つの信用情報機関とその役割

日本には、消費者金融会社、クレジット・信販会社、金融機関の各業態ごとに設立された3つの個人信用情報機関が存在します。それぞれが異なる加盟会員を持ち、信用情報の収集・管理・提供を行っています。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
CICは、クレジットカード会社の共同出資により昭和59年に設立された信用情報機関です。割賦販売法および貸金業法に基づく指定信用情報機関として指定を受けています。
主な加盟会員は、クレジットカード会社、信販会社、消費者金融、銀行、携帯電話会社などです。クレジットカードの利用履歴や携帯電話の分割払い情報なども登録されているのが特徴となります。
株式会社日本信用情報機構(JICC)
JICCは、貸金業法に基づく指定信用情報機関として内閣総理大臣より指定を受けた機関です。前身は消費者金融会社の共同出資で設立された組織であり、消費者金融や事業者向け貸金業者が多く加盟しています。
JICCの特徴として、個人だけでなく法人の信用情報も取り扱っている点が挙げられます。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
KSCは、一般社団法人全国銀行協会が設置・運営する信用情報機関です。主な加盟会員は、メガバンク、地方銀行、ネット銀行、信用金庫、信用組合、農協などの預金取扱金融機関です。
KSCの特徴は、官報に掲載された破産・民事再生手続きの情報を登録している点にあります。この情報はCICやJICCには登録されないため、銀行系のローン審査では特に重要な確認項目となっています。
信用情報機関間の情報交流ネットワーク

3つの信用情報機関は、それぞれ独立して運営されていますが、過剰貸付や多重債務の防止を目的として、一定の情報を相互に交流する仕組みが構築されています。
FINE(ファイン)
FINEは、貸金業法の指定信用情報機関制度に基づき、CICとJICCの2機関間で行われている情報交流ネットワークです。貸金業者が顧客の総借入残高を把握できるよう、貸金業法対象の個人信用情報や申込情報を交流しています。
CRIN(クリン)
CRINは、CIC、JICC、KSCの3機関間で行われている情報交流ネットワークです。延滞に関する情報や、本人確認書類の紛失・盗難に関する申告情報などを共有しています。
CICの公式サイトによると、「各信用情報機関の会員会社は、加盟する信用情報機関を通じて、このCRINを利用することにより、消費者への過剰貸付の防止、多重債務者の発生防止に、より一層の効果をあげることができます」と説明されています。
出典:CIC「信用情報の交流」
IDEA(イデア)
IDEAは、3機関間で金融機関のカードローン・クレジットカードキャッシング、貸金業者の貸金業法対象貸付に係る債務等の情報を交流するネットワークです。契約額や残高などの情報が共有されています。
信用情報の登録期間

信用情報は永久に残るわけではなく、情報の種類によって一定の登録期間が定められています。登録期間が経過すると情報は削除され、新たなローン契約やクレジットカード発行が可能になります。
主な情報の登録期間
信用情報機関ごとに若干の違いはありますが、おおむね以下のような登録期間となっています。
・申込情報:照会日から6ヶ月
・契約情報:契約期間中および契約終了後5年以内
・延滞情報:延滞解消から5年以内
・官報情報(破産・民事再生):KSCのみ、決定日から7年(2022年11月より10年から短縮)
なお、官報情報の登録期間については、全国銀行協会より2022年11月に登録期間を10年から7年に短縮する変更が公表されています。
出典:全国銀行協会「一部情報の登録終了および登録期間の短縮について」
自分の信用情報を確認する方法

自分の信用情報がどのように登録されているかは、各信用情報機関に開示請求を行うことで確認できます。審査に不安がある場合は、事前に確認しておくことも選択肢の一つです。
・CIC:インターネット、郵送で開示可能(手数料あり)
・JICC:スマートフォンアプリ、郵送で開示可能(手数料あり)
・KSC:インターネット、郵送で開示可能(手数料あり)
複数の金融機関から借入がある場合や、住宅ローンなど重要な審査を控えている場合は、3機関すべてに開示請求を行うことで、より正確な信用状況を把握できます。
まとめ
カードローンの審査では、「属性」と「信用情報」の2つが確認されています。属性は年収、勤続年数、雇用形態、居住形態などの個人情報であり、これらを点数化して返済能力を判断する属性スコアリングが行われています。
信用情報は、過去のローンやクレジットカードの利用履歴であり、CIC、JICC、KSCの3つの信用情報機関で管理されています。これらの機関はCRIN、FINE、IDEAといったネットワークで情報を交流し、過剰貸付の防止に努めています。
審査に通るためには、安定した収入を維持すること、そして支払いの遅延なく信用を積み重ねていくことが重要です。審査基準は金融機関ごとに異なり、詳細は公表されていませんが、属性と信用情報の両面で評価されることを理解しておくと、審査への準備がしやすくなります。
また、審査に不安がある場合でも、一つの項目が弱くても他の項目で補える可能性があります。既存の借入状況を整理したうえで申込むこと、必要最低限の金額で申込むことなど、自分でコントロールできる部分を意識することで、審査通過の可能性を高められます。
本記事は、CFP資格保有者であり、J-FLEC認定アドバイザーの金子賢司が執筆しています。当記事の執筆者「金子賢司」の情報は、CFP検索システムおよびJ-FLECアドバイザー検索システムにてご確認いただけます。北海道エリアを指定して検索いただくとスムーズです。
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