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【2026年度改正】18歳未満も「新NISA」解禁へ|ジュニアNISAとの違いと教育資金作りのポイント
政府・与党は、現在「18歳以上」に限定されている少額投資非課税制度(NISA)の対象年齢を拡大し、18歳未満の子どもでも利用可能にする方向で調整に入りました。
かつての「ジュニアNISA」の実質的な復活とも言えるこの改正案は、2026年度の税制改正大綱への盛り込みを目指しています。
子育て世代の教育資金作りにおける新たな選択肢となる今回のニュースについて、報道内容に基づく変更点とポイントを解説します。
制度変更の概要:子ども版NISAは「つみたて」限定
今回の改正案では、子どもが0歳からNISA口座を開設できるようになりますが、大人のNISAと全く同じ条件ではありません。
対象と枠組みのポイント
・対象年齢: 0歳〜18歳未満
・利用可能枠: 「つみたて投資枠」のみ(成長投資枠は不可)
・投資上限(案): 年間60万円程度で調整中
現行のNISA(新NISA)には「つみたて投資枠」と「成長投資枠」がありますが、18歳未満への解禁は、長期・分散・積立に適した「つみたて投資枠」に限られる見通しです。個別株などは対象外とし、リスクを抑えた資産形成を促す狙いがあります。
「旧ジュニアNISA」との違いは?
2023年まで存在した「ジュニアNISA」は、口座数が伸び悩み廃止となりました。今回の新制度案は、その反省を活かした設計等の見直しが検討されています。
1. 払い出し制限の緩和(12歳から可?)
旧ジュニアNISAの最大のネックは「原則18歳まで引き出せない」という厳しい資金拘束でした。
今回の案では、「子どもが12歳(中学生)になってから」など、教育資金が必要になるタイミングで払い出しを可能にする案が出ています。中学・高校・大学入学時の費用に充てやすくなることで、使い勝手が大幅に向上する可能性があります。
2. 投資上限額の変更
・旧ジュニアNISA: 年間80万円(最大400万円)
・新制度案: 年間60万円(総額は400万円より引き上げへ)
年間の上限額は引き下げられる案(月額5万円程度)が出ていますが、非課税で保有できる総額(保有限度額)については、旧制度よりも拡大される方向で調整されています。
FP視点の注目ポイント:資金の出し手と管理
この制度が実現すれば、子どもの教育資金を「預貯金」だけでなく「投資」で準備する流れが加速します。
資金管理の厳格化
制度の目的はあくまで「子どもの資産形成・教育資金」です。
親や祖父母が相続税対策や自身の資産隠しのために利用することを防ぐため、「使途を教育目的に絞る」「親世代が自由に流用できない条件を設ける」といった仕組みが議論されています。
リスク商品の選定
教育資金は「使う時期が決まっているお金」です。
大学入学直前に暴落して資金が減ってしまうリスクを避けるため、株式だけでなく、債券などを組み入れたリスクを抑えた商品選定が重要になります。報道でも「債券などリスクを抑えた投資先も選択肢」と言及されています。
高齢者向けの出口戦略も議論へ
今回の改正議論では、子どもだけでなく高齢者向けのNISA活用についても触れられています。
退職後の生活資金としてNISAを活用しやすくするため、「毎月定額・定率で自動的に売却して現金化するサービス」の普及などが検討されています。
若年層から高齢者まで、ライフステージ全体でNISAを活用できる環境整備が進んでいます。
まとめ
2026年度改正を目指す「18歳未満へのNISA解禁」は、教育費負担に悩む家庭にとって朗報と言えます。特に「12歳から引き出し可能」となれば、中学受験や高校進学の費用にも対応でき、計画が立てやすくなります。
具体的な条件は2024年末の税制改正大綱に向けて詰められます。詳細が決まり次第、改めて解説します。



