ブログ
知識ゼロからCFP合格まで|独学で最速最短で合格する勉強法【体験談】

数年前、私はCFP(サーティファイドファイナンシャルプランナー)資格に独学で合格しました。当時、資格学校に通う時間もお金もなかったため、全て独学で挑むことを決意。私自身は取得に時間がかかりましたが、この経験から「こうすればもっと早く取得できたのに!」という後悔も生まれました。
今回は、そんな私の実体験をもとに、CFP資格を最速で独学合格するための勉強法と、その道のりをお伝えします。
CFPの勉強を始めたきっかけ

私は当時、保険代理店で保険業を営んでいました。リスクと保険科目に関しては多少のアドバンテージがあったこともあり、AFPを取得した勢いで「よし!この調子でCFPもとるぞ!」と意気込み、本屋へ駆け込みました。
しかし、CFPの過去問題集を立ち読みしてびっくり。最初の印象は「難しすぎて倒れそう…」でした。きっと多くの方が同じように感じるのではないでしょうか。これに立ち向かうには、強いモチベーションが必要です。
私の場合、何としても他の保険営業より一歩リードしたかったのです。保険の契約は一生のお付き合いを約束するもの。保険だけでなく、住宅購入、子どもの教育資金、相続、老後の資産形成など、世帯にまつわるお金の悩みは多岐にわたります。私は保険だけでなく、「自分と契約してくれたら、そんな相談サービスが無料で受けられる!」という付加価値を自分自身にどうしてもつけたかったのです。
CFP資格の概要と最新情報

CFP資格は、FPのプロフェッショナルとしての知識と倫理観を証明する国際的な資格です。
試験日程
CFP資格審査試験は、毎年6月と11月の年2回実施されます。各回ともに、第1日目と第2日目の2日間にわたって行われ、それぞれ3課目ずつ受験します。
【2025年度 試験日程】
<第1回>
・第1日目: 2025年6月8日(日)
・第2日目: 2025年6月15日(日)
<第2回>
・第1日目: 2025年11月9日(日)
・第2日目: 2025年11月16日(日)
出願期間は試験日の約2ヶ月前から開始されます。詳細は日本FP協会の公式サイトでご確認ください。
受験料
CFP®試験の受験料は以下の通りです。(税込)
・1課目: 6,600円
・2課目: 9,900円
・3課目: 13,200円
・4課目: 16,500円
・5課目: 19,800円
・6課目: 23,100円
CFP®試験の日程と受験料の最新情報は、日本FP協会のサイトをご確認ください。
受験資格
CFP®資格審査試験の受験資格は、AFP認定者であることが条件です。
AFP認定者になるためには、FP技能士2級を取得し、日本FP協会が認定した教育機関でAFP認定研修を修了する必要があります。研修内容はテキスト学習と課題レポート提出が主で、レポートが一定水準に達すればAFP認定となります。
CFPエントリー研修について
CFP試験の全6課目に合格したとしても、すぐにCFP®と名乗ることはできません。CFP®をすでに取得しているメンターから「CFP®エントリー研修」を受講する必要があります。この研修は10:00~17:00の長丁場で、CFP®の職業倫理や相談のロールプレイングなどを徹底的に学びます。
私の場合は、10月に6課目合格後、約2ヶ月後にエントリー研修を受け、正式にCFP®認定者となったのは翌年の2月でした。この点は注意が必要です。
CFP課目の難易度と対策

CFPの6課目はそれぞれ専門性が高く、難易度も異なります。私個人の体感での難易度を、6段階評価(6が最も難しい、1が最も易しい)で表すと以下のようになります。
・金融資産運用設計: 6
・ライフプランニング・リタイアメントプランニング: 5
・不動産運用設計: 4
・相続事業承継: 3
・タックスプランニング: 2
・リスクと保険: 1
金融資産運用設計は、時事的な問題も多いため、普段から日経新聞などを読んで情報を集めておくことが不可欠です。テキストや過去問だけでは対応しきれない部分があるため、最も難易度が高いと感じました。最初の数問で出題される時事問題や金融用語をいかに取りこぼさないかがポイントです。
ライフプランニング・リタイアメントプランニングも、CFP6課目の中では比較的難しい部類に入ります。
残りの科目は「どんぐりの背比べ」といった印象で、あえて順位をつけるならというレベルです。実務経験者にとってはそれほど難しくないと言われますが、私は不動産が最も理解に苦労し、時間を費やしました。
独学でCFP合格を掴むための勉強法

「知識は礼儀だ」とかつての師匠から言われたことがあります。どんなに勉強したと思っても、落ちる科目もあります。あと1問、2問で不合格という結果も起こりえます。実際、私も経験しました。一体あとどれだけ勉強したら合格できるんだろうと絶望することもあります。それでもまた立ち直って仕事の合間に勉強し、試験を受ける状態にまで回復するには、「なぜ自分がCFPを取りたいのか」という原点に立ち返ることが非常に重要です。
過去問中心の勉強法が最短ルート
CFPの過去問を初めて見たとき、その難しさに絶望しました。テキストを読み込み、まとめノートを作って時間をかけたにもかかわらず、過去問が1問も分からない。少なくとも私はそうでした。でも安心してください。2年後に合格した私が、当時そんな状態だったのです。
今考えれば、過去問が1問もできなくたって、何度も繰り返せば合格できます。決して諦めないでください。
私は、書店で過去問題を徹底的に見て回った結果、出題箇所はどの科目もだいたい決まっていることに気が付きました。一体あの膨大なテキストの分量は何だったのか、と思うくらいに。
そこで私は、テキストを買うのを一切やめました。CFPの最上級資格を早く手に入れ、他の保険営業と違う自分を実現したかったからです。
FPK研修センターの精選過去問題集が最強
私はCFP合格の秘訣は過去問題集選びが7割~8割を占めると考えています。
以前、4科目中1科目しか受からなかった時、他のCFPの方にどんな問題集を使ったか尋ねると、「FPKで販売している過去5年分くらいの過去問題が掲載されている問題集がいいですよ!」と教えてもらいました。
毎回同じような定番の計算問題があるのですが、微妙に求められる数字の場所や前提条件が違っていて、応用が利かないと特に不動産と金融は難しいと感じていました。定番で似たような問題が出る計算問題では、多少ひねりを加えられてもぐらつかないくらい、何度も確認で過去問を解いておく必要があると薄々感じていたのです。
何冊も問題集を買って科目ごとに行ったり来たりするのは非常にストレスでした。「似たような過去問題が固まって何問か続いていたらいいのに!」と思っていたら、まさにそれがFPK研修センターの「CFP®受験対策精選過去問題集」でした。
5年分の過去問題が似たような問題ごとにまとめられており、解説も大変親切です。苦手な問題を克服するまでじっくり一つずつ攻略していく達成感を味わうことができました。これなら受かる!わかりやすい!と道が開けた気がしました。
私は時間的にもこれ以上CFPの試験に時間をかけていると、仕事との板挟みで心が折れてしまうという焦りがあったため、合格することを優先しました。そのため、私の勉強方法は「テキストは全く見ずに、FPKの精選過去問題集だけを繰り返し解き、解説を読み込む」というものでした。今なら、これだけでも十分な基礎知識が身につくと断言できます。
CFP取得までにかかった勉強時間と費用
CFP合格までの勉強時間は、1科目あたり平均で50時間~60時間ほどだったと記憶しています。自分の仕事と関連するリスクと保険分野は20~30時間、ライフプランニングは難しかったので50時間くらい勉強しました。
したがって、6科目の合計勉強時間は300~360時間が目安になるでしょう。
FP3級や2級になるまでの費用を除くと、CFP取得までにかかった費用は以下の通りです。
・AFPになるための研修費用: 約25,000円
・FPK精選問題集(1冊約3,900円 × 6課目分): 約23,400円
・受験料(申し込んだ科目数で異なるが、6課目合計): 23,100円
合計で約71,500円でした。私はこれ以外にも問題集やテキスト購入でさらに30,000円ほどかかっていますが、FPK精選問題集と受験料のみに絞れば、完全独学で6課目合格までに約7万円程度で済ませることが可能です。金額面で見ても、独学は大きなメリットがあります。
私のCFP受験体験談
CFP合格への道のりは、まさに試行錯誤と挫折の連続でした。しかし、その経験があったからこそ、今の私があります。ここからは、合格を掴むまでの私のリアルな受験体験談を、包み隠さずお伝えします。
最初の挑戦と挫折、そして再起
私は弾みをつけるため、最初のCFP試験でリスクと保険、ライフプランニングを受験しました。リスクと保険は業務経験から有利かと思いましたが、この科目は比較的易しく、多くの人が最初に合格を目指す科目です。そのため、大きなアドバンテージにはなりませんでした。
正直に言うと、得意分野のはずのリスクと保険でさえ、CFP過去問を初めて解いた時は一つも正解がありませんでした。全体的に言えることですが、テキストをまともに読んで過去問を解くという生半可な勉強では合格できません。
AFP資格を取得してこのままCFPまで一気にとるぞ!と意気込んでいた私は、本屋で出会ったCFPの問題集を立ち読みして気が遠くなりました。こんなに難しいなんて…。それもそのはず、FP2級に該当するAFPの取得者人数が全国で15.4万人なのに対し、1級に該当するCFPの人数は全国で2万人(2015年度FP協会のデータより)と、圧倒的に少ないのです。
当時の私は、保険の代理店で常に顧客のニーズに合った商品を提案し、営業に回らなければならない日々。会社としてのノルマもありました。さらにその年の冬には結婚の予定があり、家族を養っていかなければならないというプレッシャーも。そんな状況で勉強に費やせる時間もなく、しばらくFP資格のことは諦めようと思う期間が続きました。「もうAFPでいいや…」という気持ちも痛いほどわかります。
絶対に選ばれるFPになりたい
しかし、異業種交流会などに参加して名刺交換をすると、何も言っていないのに「あ、うちはあの人から入っているから」とか、「ウチに営業に来ないでね」と言われることが多く、保険営業の地位の低さを痛感しました。無性に悔しかったのです。
「私は絶対に選ばれる保険の営業になってやる!」それが一番の動機でした。
そこで私は、ライフプランニングとリスクと保険分野の過去問題集を3冊購入し、ひたすら解答を見て解き方や解説を読み、それにまつわる周辺知識をインターネットで調べる作業を繰り返しました。この方法を最終的に全科目で貫き通しました。
幸い、最初の試験ではライフプランニングとリスクと保険の2科目に合格することができました。これらは普段の業務でも使う知識であり、アドバンテージがある分野です。幸先の良いスタートでしたが、まだまだこれからが困難な道のりでした。
無謀な複数科目受験と苦い経験
「CFP、このまま一気に残り4科目合格だ!」と意気込み、4科目分の過去問題集を3冊ずつ購入しました。しかし、CFP科目は一つ一つがかなり難しいことを忘れていました。いざ開いて「さあやるぞ!」と思っても全くやる気が出ません。
仕事もあまり調子が良くなく、土日が空いてしまっていました。空いているなら勉強できると思うかもしれませんが、歩合制の保険営業にとって空き時間ほど不安なことはありません。「勉強してCFPになればきっともっと大きなマーケットに行ける!」と信じたいものの、やはり目先の営業成績をどうしようかという不安ばかりで、この時期は勉強に手がつきませんでした。
それでも自分を信じなければと思い、受かる見込みもないまま4科目受験の申し込みをしてしまいました。結果的に無茶でした。試験日まで残り1ヶ月のところで、1週目の金融・不動産に集中し、その試験が終わった1週間の間にタックスと相続・事業承継を勉強しようとスケジュールを変更しましたが、結局、金融・不動産は歯が立ちませんでした。残りの1週間でタックスと相続が受かるわけもなく、今回は全滅か…と絶望しました。
しかし、翌週の試験2日目、タックスプランニングが幸い簡単だったことが印象的でした。比較的、何をひっかけようとしているのかもわかるくらい問題の意図が理解できたのです。「これなら受かるかも!」と、消えかけたろうそくの火が残りました。相続は正直勉強に手が回らず、完全に「思い出受験」になりました。
結果は、4科目受験してタックスプランニングの1科目のみ合格でした。この時、全科目失敗でなかったことが本当に救いでした。もしこの時4課目全滅していたら、挫折していたかもしれません。
CFPの合格ラインは30点とは限らない
CFP試験の合格ラインは、一般的に6割(30点)と言われますが、これはあくまで目安です。実際、私は相続で31問正解して不合格だったこともあれば、後で28問で合格した科目もあります(少し恥ずかしいですが)。
CFP試験は相対評価なので、必ずしも30問正解していれば合格するわけではありませんし、逆に30問正解していなかったからといって必ず不合格というわけでもありません。ただし、30問正解以下での合格はかなり可能性が低いとは思います。
この時、苦手な金融がなぜか29問正解で合格したことで、ものすごい安心感がありました。次は相続・事業承継1科目に全力投球できる。合格できなかったのは残念でしたが、次回は必ず全科目合格できる!と力がみなぎってきました。
CFP全課目合格!そして新たなスタートへ

2014年秋の試験で不動産と金融資産運用という苦手な2科目に合格したことで、残る科目は相続・事業承継のみとなりました。
本業で使う知識なので、落としたのはショックでしたが、「きっともっと勉強してこの分野に強くなりなさい」と言われているのだと思って、勉強を再開…したいところでしたが、前回30問正解で不合格だった科目であり、根拠のない自信があったことと、仕事にかこつけてなかなか勉強に手がつかず、あっという間に試験日の1ヶ月前。いよいよ焦り始めました。
「ここまでやってきて、もう資格の勉強は絶対にしたくない!」そこから急にスイッチが入り、猛勉強しました。そして試験当日を迎えます。「もうCFPの勉強はこれでオサラバしたい!次のステップに行くんだ!」と、考えすぎて少しプレッシャーになりました。
試験が始まり、いろんな思いが駆け巡りましたが、試験終了。「完璧!」という感想でした。まだ合格かどうかも分からないのに、これでCFPの勉強はもうしなくていいと安心しきっていました。
翌日答え合わせ。正解数は50問中36問でした。「あれ?意外と大したことない…」普通は安全圏と言いたいところですが、ネット検索すると「安全圏には37問必要」など、不安な情報ばかりが目につきます。そして、合格発表。
結果は、「合格!」
この喜びをどう表現していいのか分かりませんが、一つの資格にここまで勉強したのは生まれて初めてでした。これからまだエントリー研修などの過程を経て、CFP®に正式に認定となるわけですが、しばらくは勉強をお休みして、この資格を仕事で生かした体験をこの場でいろいろ皆さんにお伝えしていきたいと思います。改めてよろしくお願いいたします。
CFP資格は就職・キャリアにどう活きるか?

CFP®資格は、間違いなく就職やキャリアに有利です。資格が全てではありませんが、FP技能士3級とCFP®またはFP1級では難易度は雲泥の差があります。金融機関の中には、社員のFP資格保有者の割合を明確に目標として掲げている企業もあります。
若いうちに取得すれば文句なしですが、中途採用でもCFP®資格を持っていれば大きなアドバンテージとなるでしょう。ましてや今学生で、これから就職活動という方は、CFP®資格があればよほど履歴書の内容や経歴におかしなところがなければ、金融機関であれば「ぜひ来てほしい」という存在でありうることは間違いありません。
問題集を見て挫折せずに、どうせ受けるならCFP®まで取得してほしいと心から願っています。