火災保険
古いの物件オーナー必見!給排水管のピンホールによる水漏れ、火災保険で備える

「最近、やけに水道代が高いな…」 「天井や床にシミができたんだけど、原因がわからない」
もしかしたら、それは給排水管のピンホール(孔食)による水漏れが原因かもしれません。銅管などの劣化によって発生するピンホールは、住宅に甚大な被害をもたらす可能性がありますが、ご安心ください。条件を満たせば、火災保険でその損害をカバーできます。
この記事では、給排水管のピンホールについて詳しく解説し、火災保険で備えるためのポイントを徹底的にご説明します。
なお、保険金が支払われるかどうかの最終的な判断は保険会社が行います。事故の状況によっては補償対象外となる場合がある点をご理解のうえ、記事をお読みください。
ピンホール(孔食)とは?銅管の劣化が引き起こす水漏れの原因

ピンホールとは、水道管や給水管、給湯管といった管の内部の金属面が部分的に腐食し、まるで針で刺したような小さな穴(ピット)が開いてしまう現象を指します。このピンホールが原因で水漏れが発生すると、以下のような損害を引き起こす可能性があります。
・床や天井へのシミ・汚損
・家財の濡れや破損
・床下の湿気による柱の腐食、最悪の場合は建物の倒壊リスク
特に、築年数が15年以上経過した物件では発生リスクが高まると言われています。
ピンホールによる水漏れは火災保険の対象になる?

結論から言うと、ピンホールによる水漏れは火災保険の対象になり得ます。 ただし、いくつか重要な条件があります。
火災保険の「水漏れ」補償が付帯していること
ピンホールによる損害が火災保険で補償されるためには、ご加入の建物火災保険に「水漏れ」が給付対象として含まれていることが必須条件です。ご自身の保険証券を今一度ご確認ください。
建物と家財、それぞれに保険加入が必要
水漏れによって損害を受けたのが「建物(天井や床のシミなど)」なのか、「家財(家具や電化製品など)」なのかによって、適用される保険が異なります。
・建物への損害: 建物の火災保険で補償されます。
・家財への損害: 家財保険に加入していれば補償されます。
「建物」と「家財」の火災保険は別々に契約する必要があるため、まだ家財保険に加入していない方は、この機会に検討することをおすすめします。
注意点:管そのものの修理費は対象外

仮に火災保険が適用され、保険金が支払われたとしても、ピンホールの原因となった配管そのものの修理費用は火災保険の対象外となるのが一般的です。これは、配管の劣化による交換は、保険でカバーされる「事故」ではなく「経年劣化」と判断されるためです。
賃貸物件オーナーは「施設賠償責任保険」も忘れずに!

賃貸アパートのオーナー様の場合、ピンホール対策はより重要になります。もし共有部分の水道管や給湯管からのピンホールで、入居者の家財に損害を与えてしまった場合、それはオーナー様の責任になる可能性があります。
・オーナーご自身の建物への損害: 火災保険で補償。
・入居者の家財への損害: 施設賠償責任保険で入居者への弁償に対応。
オーナー様は、ご自身の火災保険に加えて、万が一の入居者への損害賠償に備える施設賠償責任保険にも加入しておくことで、ピンホールによる損害リスクにしっかりと備えることができます。
水道代が異常に高い?それはピンホールのサインかも

「いつもと比べて水道代が妙に高い」と感じたら、床下の給水管にピンホールができて水漏れが続いている可能性があります。放置すると、床下の柱が湿気で腐食し、建物の構造に重大な影響を及ぼすこともあります。水道代の異変は、ピンホールによる水漏れの早期発見のサインと捉え、速やかに専門業者に調査を依頼しましょう。
「劣化だから保険は下りない」は誤解?保険会社への相談の重要性

「サビやカビなどの劣化が原因の損害は保険の対象外」という損害保険の原則はあります。そのため、ピンホールも劣化と見なされ、保険の営業担当者から「これは保険金が支払われません」と断られてしまうケースも少なくありません。
しかし、水漏れが給付要件に含まれている火災保険であれば、ピンホールは支払いの対象になり得ます。 諦めずに、まずはご加入の保険会社に相談し、専門家に見てもらうことが重要です。
過去の事故も請求できる?火災保険の時効に注意

「以前、水漏れ事故があったけど、火災保険を請求しなかった…」という方もご安心ください。
火災保険の請求には時効がありますが、事故発生から数年が経過していても請求できるケースがあります。写真や見積もりなどの証拠が残っていれば、一度保険会社に問い合わせてみる価値は十分にあります。
まとめ:ピンホールによる水漏れに備えるために
給排水管のピンホールによる水漏れは、決して他人事ではありません。特に築年数の古い物件にお住まいの方やオーナー様は、以下の点を確認し、万が一に備えましょう。
・ご自身の火災保険に「給排水設備の水漏れ」補償が付帯しているか確認する
・建物だけでなく家財も補償対象になっているか確認する
・賃貸オーナーは施設賠償責任保険への加入も検討する
・水道代の異変など、早期発見のサインを見逃さない
・水漏れが発生したら、まずは専門家に相談し、保険会社に問い合わせる
早めの対策と適切な保険加入で、給排水管のピンホールによる損害から大切な住まいと財産を守りましょう。